宅建試験過去問題 平成15年試験 問21

問21

建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 市町村は地区計画の地区整備計画が定められている区域内において、条例で、建築基準法第48条の建築物の用途制限を強化又は緩和することができる。
  2. 建築協定においては、建築協定区域内における建築物の用途に関する基準を定めることができない。
  3. 都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内において、地方公共団体は、建築物の用途に関する制限を条例で定めることはできない。
  4. 第一種低層住居専用地域において建築することができる用途の建築物については、第二種低層住居専用地域においても建築することができる。

正解 2

問題難易度
肢116.1%
肢239.7%
肢325.5%
肢418.7%

解説

  1. 正しい。市町村は、地区整備計画等の内容として定められたものについて条例で制限を定めることができます(建築基準法68条の2第1項)。また、国土交通大臣の承認を得て、地区計画等の区域内の用途制限を緩和することができます(建築基準法68条の2第5項)。
    市町村は、地区計画等の区域(地区整備計画、特定建築物地区整備計画、防災街区整備地区整備計画、歴史的風致維持向上地区整備計画、沿道地区整備計画又は集落地区整備計画(以下「地区整備計画等」という。)が定められている区域に限る。)内において、建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する事項で当該地区計画等の内容として定められたものを、条例で、これらに関する制限として定めることができる。
    市町村は、用途地域における用途の制限を補完し、当該地区計画等(集落地区計画を除く。)の区域の特性にふさわしい土地利用の増進等の目的を達成するため必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、第一項の規定に基づく条例で、第四十八条第一項から第十三項までの規定による制限を緩和することができる。
  2. [誤り]。建築協定で定めることができるのは、建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠又は建築設備に関する基準です。用途制限も建築協定で定めることが可能です(建築基準法69条)。
    市町村は、その区域の一部について、住宅地としての環境又は商店街としての利便を高度に維持増進する等建築物の利用を増進し、かつ、土地の環境を改善するために必要と認める場合においては、土地の所有者及び借地権を有する者(中略)が当該土地について一定の区域を定め、その区域内における建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠又は建築設備に関する基準についての協定(以下「建築協定」という。)を締結することができる旨を、条例で、定めることができる。
  3. 正しい。地方公共団体は、都道府県知事が指定した区域内で、建築物やその敷地と道路の関係、容積率、建築物の高さ等の制限を条例で定めることができます(建築基準法68条の9)。都道府県知事の指定区域であれば、都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内でも制限を定めることは可能ですが、「建築物の用途制限」は定めることのできる事項に含まれていないので条例で定めることはできません。したがって適切な記述です。
    第六条第一項第四号の規定に基づき、都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域内においては、地方公共団体は、当該区域内における土地利用の状況等を考慮し、適正かつ合理的な土地利用を図るため必要と認めるときは、政令で定める基準に従い、条例で、建築物又はその敷地と道路との関係、建築物の容積率、建築物の高さその他の建築物の敷地又は構造に関して必要な制限を定めることができる。
  4. 正しい。用途制限としては、第一種低層住居専用地域の方が厳しくなります。第二種低層住居専用地域には第一種低層住居専用地域で許可されている建築物に加えて、小規模(店舗に供する床面積が150㎡以下)の店舗・飲食店が建築できます(建築基準法別表第二(ろ))。
したがって誤っている記述は[2]です。