8種制限(全72問中17問目)

No.17

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間でマンション(代金3,000万円)の売買契約を締結しようとする場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
  1. Bは自ら指定した自宅においてマンションの買受けの申込みをした場合においても、法第37条の2の規定に基づき、書面により買受けの申込みの撤回を行うことができる。
  2. BがAに対し、法第37条の2の規定に基づき、書面により買受けの申込みの撤回を行った場合、その効力は、当該書面をAが受け取った時に生じることとなる。
  3. Aは、Bとの間で、当事者の債務不履行を理由とする契約解除に伴う違約金について300万円とする特約を定めた場合、加えて、損害賠償の予定額を600万円とする特約を定めることができる。
平成29年試験 問31
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. なし

正解 4

問題難易度
肢120.5%
肢28.2%
肢31.3%
肢470.0%

解説

  1. 誤り。クリーリング・オフは、宅地建物取引業者が売主となる宅地建物の売買契約を「事務所」や「買主が指定した自宅・勤務先等」以外でした場合に適用を受けることができます。しかし、本件では、買主自ら指定した自宅においてマンションの買受けの申込みをしているため撤回をすることはできません(宅建業法37条の2第1項)。
    宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約について、当該宅地建物取引業者の事務所その他国土交通省令・内閣府令で定める場所(以下この条において「事務所等」という。)以外の場所において、当該宅地又は建物の買受けの申込みをした者又は売買契約を締結した買主(事務所等において買受けの申込みをし、事務所等以外の場所において売買契約を締結した買主を除く。)は、次に掲げる場合を除き、書面により、当該買受けの申込みの撤回又は当該売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。この場合において、宅地建物取引業者は、申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
  2. 誤り。クーリング・オフにおける申込みの撤回等は、申込者等が書面を発した時にその効力が生じます。よって本肢は誤りです(宅建業法37条の2第2項)。
    申込みの撤回等は、申込者等が前項前段の書面を発した時に、その効力を生ずる。
  3. 誤り。宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地建物の売買契約では、損害賠償額の予定や違約金の合計額が売買代金の2割以下になるようにしなければいけません。本肢では、損害賠償の予定額と違約金の合算額が900万円であり、売買代金の2割である600万円を超えているため、宅建業法違反となると同時に限度額を超える部分が無効となります(宅建業法38条)。
    宅地建物取引業者がみずから売主となる宅地又は建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の十分の二をこえることとなる定めをしてはならない。
    2 前項の規定に反する特約は、代金の額の十分の二をこえる部分について、無効とする。
したがって正しいものは「なし」です。