住宅瑕疵担保責任履行法(全16問中2問目)

No.2

特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
令和4年試験 問45
  1. 宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地建物取引業者である買主との間で新築住宅の売買契約を締結し、その住宅を引き渡す場合、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務を負う。
  2. 住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、新築住宅の引渡し時から10年以上有効でなければならないが、当該新築住宅の買主の承諾があれば、当該保険契約に係る保険期間を5年間に短縮することができる。
  3. 自ら売主として新築住宅を販売する宅地建物取引業者は、基準日から3週間を経過する日までの間において、当該基準日前10年間に自ら売主となる売買契約に基づき宅地建物取引業者ではない買主に引き渡した新築住宅(住宅販売瑕疵担保責任保険契約に係る新築住宅を除く。)について、住宅販売瑕疵担保保証金の供託をしていなければならない。
  4. 宅地建物取引業者が住宅販売瑕疵担保保証金の供託をし、その額が、基準日において、販売新築住宅の合計戸数を基礎として算定する基準額を超えることとなった場合、宅地建物取引業法の免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事の承認がなくても、その超過額を取り戻すことができる。

正解 3

問題難易度
肢118.9%
肢24.5%
肢358.4%
肢418.2%

解説

  1. 誤り。本肢では買主が宅地建物取引業者です。新築住宅の買主が宅地建物取引業者であるときは資力確保措置を講じる義務はありません(履行確保法2条6項2号ロ)。
    宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地建物取引業者である買主との間で新築住宅の売買契約を締結し、その住宅を引き渡す場合、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務を負う。H27-45-1
    宅地建物取引業者は、自ら売主として建設業者である買主との間で新築住宅の売買契約を締結し、当該住宅を引き渡す場合、資力確保措置を講じる必要はない。H23-45-1
    宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地建物取引業者である買主との間で新築住宅の売買契約を締結し、当該住宅を引渡す場合、資力確保措置を講ずる義務を負う。H22-45-1
  2. 誤り。住宅販売瑕疵担保責任保険契約には、①保険金額が2,000万円以上、②保険期間が引渡しから10年以上、③宅地建物取引業者が保険料を負担するなどの要件があります(履行確保法2条7項)。保険期間が10年未満の保険契約では上記要件を満たさず、資力確保措置を講ずる義務を果たせないので、短縮することはできません。
    Aが住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結する場合、保険金額は2,000万円以上でなければならないが、Bの承諾を得た場合には、保険金額を500万円以上の任意の額とすることができる。R3⑫-45-3
    Aが住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結する場合、当該契約は、BがAから当該新築住宅の引渡しを受けた時から2年以上の期間にわたって有効なものでなければならない。R3⑩-45-2
    Aは、住宅瑕疵担保責任保険法人と住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をした場合、Bが住宅の引渡しを受けた時から10年以内に当該住宅を転売したときは、当該住宅瑕疵担保責任保険法人にその旨を申し出て、当該保険契約の解除をしなければならない。R2⑫-45-2
    住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、新築住宅を引き渡したAが住宅瑕疵担保責任保険法人と締結する必要があり、Bが保険料を支払うものではない。R2⑫-45-4
    Aが媒介を依頼した宅地建物取引業者又はBが住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をしていれば、Aは住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う必要はない。R2⑩-45-1
  3. [正しい]。宅地建物取引業者は、基準日から3週間を経過する日までに、基準日前10年間に自ら売主として販売した新築住宅について、住宅瑕疵担保責任の履行を確保するため住宅販売瑕疵担保保証金を供託していなければなりません(履行確保法11条1項)。
    2021年9月30日以前は、各基準日において供託をしていなければなりませんでしたが、改正により、基準日から3週間を経過する日までに供託すればよいことになりました。
    宅地建物取引業者は、自ら売主として新築住宅を販売する場合だけでなく、新築住宅の売買の媒介をする場合においても、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務を負う。R1-45-1
  4. 誤り。履行確保措置のために供託している額が、基準日において法定の額を超えることとなった場合、免許権者の承認を受けたうえで、供託所に払い戻し請求をすることにより取り戻すことができます(履行確保法9条、同16条で準用)。
したがって正しい記述は[3]です。