35条書面(全64問中36問目)

No.36

建物の貸借の媒介を行う宅地建物取引業者が、その取引の相手方(宅地建物取引業者ではない)に対して行った次の発言内容のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。なお、この問において「重要事項説明」とは同法第35条の規定に基づく重要事項の説明をいい、「重要事項説明書」とは同条の規定により交付すべき書面をいうものとする。
平成26年試験 問36
  1. 重要事項説明のため、明日お宅にお伺いする当社の者は、宅地建物取引士ではありませんが、当社の最高責任者である代表取締役ですので、重要事項説明をする者として問題ございません。
  2. この物件の契約条件につきましては、お手元のチラシに詳しく書いてありますので、重要事項説明は、内容が重複するため省略させていただきます。ただ、重要事項説明書の交付は、法律上の義務ですので、入居後、郵便受けに入れておきます。
  3. この物件の担当である宅地建物取引士が急用のため対応できなくなりましたが、せっかくお越しいただきましたので、重要事項説明書にある宅地建物取引士欄を訂正の上、宅地建物取引士である私が記名をし、代わりに重要事項説明をさせていただきます。私の宅地建物取引士証をお見せします。
  4. この物件は人気物件ですので、申込みをいただいた時点で契約成立とさせていただきます。後日、重要事項説明書を兼ねた契約書を送付いたしますので、署名押印の上、返送していただければ、手続は全て完了いたします。

正解 3

問題難易度
肢15.4%
肢24.8%
肢387.3%
肢42.5%

解説

  1. 違反する。買主や借主に対する重要事項説明は、宅地建物取引士にしかできない業務です。よって、無資格者が行うと宅建業法に違反します。
  2. 違反する。宅地建物取引業者による重要事項説明書の交付と説明は法によって義務付けられています。よって、説明を省略している本肢の事例は宅建業法違反となります。また重要事項説明書の交付と説明は、契約の成立前に行う必要がありますから、入居後(契約後)に郵便受けに入れておく行為は許されません。よって、この点でも宅建業法に違反しています。
  3. [違反しない]。重要事項の説明は、宅地建物取引士であれば誰でも行うことができます。物件を担当した宅地建物取引士や、宅建業者名簿に記載された専任の宅地建物取引士である必要はありません。よって、違反行為ではありません。
  4. 違反する。重要事項の説明は、契約の成立前に書面を交付して行う必要があります。契約後に重要事項説明書を送付するのでは遅すぎます。また、重要事項説明書と契約書を兼ねることもできません。よって、本肢の事例は宅建業法に違反します。
したがって正しい記述は[3]です。