報酬関連(全25問中17問目)

No.17

宅地建物取引業者A社(消費税課税事業者)は貸主Bから建物の貸借の代理の依頼を受け、宅地建物取引業者C社(消費税課税事業者)は借主Dから媒介の依頼を受け、BとDとの間で賃貸借契約を成立させた。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば誤っているものはどれか。なお1か月分の借賃は10万円である。
平成23年試験 問40
  1. 建物を住居として賃借する場合、C社は、Dから承諾を得ているときを除き、55,000円を超える報酬をDから受領することはできない。
  2. 建物を店舗として貸借する場合、A社がBから110,000円の報酬を受領するときは、C社はDから報酬を受領することはできない。
  3. 建物を店舗として貸借する場合、本件賃貸借契約において300万円の権利金(返還されない金銭)の授受があるときは、A社及びC社が受領できる報酬の額の合計は、308,000円以内である。
  4. C社は、Dから媒介報酬の限度額まで受領できるほかに、法第37条の規定に基づく契約の内容を記載した書面を作成した対価として、文書作成費を受領することができる。

正解 4

問題難易度
肢18.6%
肢210.4%
肢315.6%
肢465.4%

解説

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  1. 正しい。賃借の代理・媒介をする場合、双方から受領できる報酬の合計額は「1カ月分の借賃+消費税」です。また、居住用建物の貸借では依頼者の承諾を得ている場合を除き、一方の依頼者から受けることができる報酬額は「1ヶ月の借賃の半分+消費税」となります。
    本問では1か月分の借賃は10万円ですので、Dから受領できる報酬は「10万円÷2×1.10=5万5,000円」が上限となります。
  2. 正しい。貸借の代理・媒介をする場合、双方から受領できる報酬の合計額は「1カ月分の借賃+消費税」です。また、居住用建物以外の賃貸借の場合、報酬の限度額以内であれば両当事者からどのような割合で報酬を受領しても構いません。
    本問では1か月分の借賃は10万円ですので、双方から受領できる報酬は「10万円×1.10=11万円」が上限となります。なお、1つの取引に複数の宅地建物取引業者が関与していた場合でもこの限度額の範囲でしか報酬を受領できません。
    よって、A社がBから報酬限度額である11万円の報酬を受領するときは、C社はDから報酬を受領することができません。
  3. 正しい。居住用建物以外の賃貸借で権利金の授受があるものは、権利金の額を売買に係る代金の額とみなして報酬を計算することが可能です。
    貸借契約の借賃を基に計算した報酬額
    10万円×1.10=11万円
    権利金を売買代金として計算した報酬額
    [A社(代理)の報酬限度額]
    (300万円×4%+2万円)×1.10=15万4,000円
    15万4,000円×2=30万8,000円 …①

    [C社(媒介)の報酬限度額]
    (300万円×4%+2万円)×1.10=15万4,000円 …②

    [AとCを合わせた報酬額の上限]
    ①と②を比べたときに多い「30万8,000円」です。
    よって、本肢における報酬限度額は30万8,000円になります。
  4. [誤り]。①依頼者の承諾を得た広告料金、②依頼者からの特別の依頼により支出する特別の費用、③低廉な空き家等の現地調査費用以外には、限度額を超える報酬を受け取ることができません。よって、文書作成費を別途受領することはできません。
したがって誤っている記述は[4]です。