報酬関連(全25問中10問目)
No.10
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が受け取ることのできる報酬の上限額に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。平成30年試験 問31
- 土地付中古住宅(代金500万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、Aが売主Bから媒介を依頼され、現地調査等の費用が通常の売買の媒介に比べ5万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する場合、その旨をBに対し説明した上で、AがBから受け取ることができる報酬の上限額は286,000円である。
- 土地付中古住宅(代金300万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、Aが買主Cから媒介を依頼され、現地調査等の費用が通常の売買の媒介に比べ4万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する場合、その旨をCに対し説明した上で、AがCから受け取ることができる報酬の上限額は198,000円である。
- 土地(代金350万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、Aが売主Dから媒介を依頼され、現地調査等の費用が通常の売買の媒介に比べ2万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する場合、その旨をDに対し説明した上で、AがDから受け取ることができる報酬の上限額は198,000円である。
- 中古住宅(1か月分の借賃15万円。消費税等相当額を含まない。)の貸借について、Aが貸主Eから媒介を依頼され、現地調査等の費用が通常の貸借の媒介に比べ3万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する場合、その旨をEに対し説明した上で、AがEから受け取ることができる報酬の上限額は198,000円である。
広告
正解 3
問題難易度
肢115.3%
肢224.8%
肢345.1%
肢414.8%
肢224.8%
肢345.1%
肢414.8%
分野
科目:5 - 宅地建物取引業法等細目:10 - 報酬関連
解説
平成30年の報酬告示改正により、低廉な空家等の売買の媒介・代理の際、通常の売買又は交換の媒介と比較して現地調査等の費用を要するものについては、その現地調査費用の実費を報酬額に加算できるようになりました。この計算の特例は以下の条件すべてを満たす場合に適用可能です。
- 宅地建物の売買・交換の媒介・代理であること
- 売買代金・交換価額が、消費税抜きで400万円以下であること
- 空家等の売主または交換を行う者である依頼者から受けるものであること
- 媒介または代理契約時に依頼者にその旨の説明をして合意を得ていること
- 媒介の場合
- 18万円+消費税相当額 … ①
- 代理の場合
- 通常の媒介の報酬額+①
- 誤り。本肢の場合、税抜き売買代金が400万円を超えているため、空き家等売買の特例で計算することはできません。
よって、A(媒介)が売主Bから受け取ることができる報酬の限度額は「(500万×3%+6万円)×1.10=231,000円」です。 - 誤り。空き家等売買の特例が適用されるのは、売主から受領する報酬についてのみです。
よって、買主Cから受領できる金額は、通常の規定どおり「(300万×4%+2万円)×1.10=154,000円」となります。 - [正しい]。売買代金が400万円以下、通常と比較して現地調査等の費用を要する、事前の説明あり、という要件を満たしているので、売主から受領する報酬には空き家等売買の特例を適用できます。
よって、通常の報酬額に通常より多くかかった現地調査等の費用2万円を加算することができます。したがって報酬の上限は、
(350万円×4%+2万円)×1.10+2万円×1.10=198,000円
になります。これは「18万円×1.10=198,000円」という媒介の際の上限額と同じであるため適正な報酬額です。 - 誤り。貸借の場合、空き家等売買の特例は適用されません。よって、報酬上限は通常の規定どおり「借賃1月分+消費税」で計算した「15万円×1.10=165,000円」となります。
広告
広告