不動産鑑定評価基準 (全10問中10問目)

No.10

不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
平成13年試験 問29
  1. 不動産の価格を求める鑑定評価の手法は、原価法、取引事例比較法及び収益還元法に大別されるが、鑑定評価に当たっては、案件に即してこれらの三手法のいずれか1つを適用することが原則である。
  2. 取引事例比較法とは、まず多数の取引事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る取引価格に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考量し、これによって対象不動産の試算価格を求める手法である。
  3. 収益還元法は、学校、公園等公共又は公益の目的に供されている不動産も含めすべての不動産に適用すべきものであり、自用の住宅地といえども賃貸を想定することにより適用されるものである。
  4. 賃料の鑑定評価において、支払賃料とは、賃料の種類の如何を問わず貸主に支払われる賃料の算定の期間に対応する適正なすべての経済的対価をいい、純質料及び不動産の賃貸借等を継続するために通常必要とされる諸経費等から成り立つものである。

正解 2

問題難易度
肢14.5%
肢268.2%
肢312.9%
肢414.4%

解説

  1. 誤り。不動産の価格を求める鑑定評価の手法は、原価法、取引事例比較法及び収益還元法に大別されるという記述は適切です。しかし、鑑定評価に当たっては1つ選択するのではなく、複数の鑑定評価の手法を適用すべきとされています(不動産鑑定評価基準8章7節)。
  2. [正しい]。取引事例比較法は、まず多数の取引事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る取引価格に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考量し、これによって対象不動産の試算価格を求める手法と定義されています(不動産鑑定評価基準7章1節Ⅲ)。
  3. 誤り。収益還元法は、文化財の指定を受けた建造物等の一般的に市場性を有しない不動産以外のものには基本的にすべて適用すべきものであり、自用の不動産といえども賃貸を想定することにより適用されるものであると定義されています(不動産鑑定評価基準7章1節Ⅳ)。学校、公園等公共又は公益の目的に供されている不動産は、市場性を有しないので文化財等と同じく収益還元法を適用すべきではありません。
  4. 誤り。支払賃料とは、各支払時期に支払われる賃料をいい、契約に当たって、権利金、敷金、保証金等の一時金が授受される場合においては、当該一時金の運用益及び償却額と併せて実質賃料を構成するものと定義されています。少しわかりにくいですが「実質賃料=支払賃料+一時金の運用益及び償却額」ということです。
    本肢の記述は「実質賃料」の定義ですので誤りです(不動産鑑定評価基準7章1節Ⅰ-1)。
したがって正しい記述は[2]です。