国土利用計画法(全23問中14問目)

No.14

国土利用計画法第23条の都道府県知事への届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
平成21年試験 問15
  1. 宅地建物取引業者Aが都市計画区域外の10,000平方メートルの土地を時効取得した場合、Aは、その日から起算して2週間以内に事後届出を行わなければならない。
  2. 宅地建物取引業者Bが行った事後届出に係る土地の利用目的について、都道府県知事が適正かつ合理的な土地利用を図るために必要な助言をした場合、Bがその助言に従わないときは、当該知事は、その旨及び助言の内容を公表しなければならない。
  3. 宅地建物取引業者Cが所有する市街化調整区域内の6,000平方メートルの土地について、宅地建物取引業者Dが購入する旨の予約をした場合、Dは当該予約をした日から起算して2週間以内に事後届出を行わなければならない。
  4. 宅地建物取引業者Eが所有する都市計画区域外の13,000平方メートルの土地について、4,000平方メートルを宅地建物取引業者Fに、9,000平方メートルを宅地建物取引業者Gに売却する契約を締結した場合、F及びGはそれぞれ、その契約を締結した日から起算して2週間以内に事後届出を行わなければならない。

正解 3

問題難易度
肢117.2%
肢211.5%
肢362.7%
肢48.6%

解説

  1. 誤り。国土利用計画法における「土地売買等の契約」とは、権利性・契約性・対価性を備えるものです(国土利用計画法14条)。
    時効取得の場合には契約性がないため、事後届出は不要です。
    土地に関する所有権若しくは地上権その他の政令で定める使用及び収益を目的とする権利又はこれらの権利の取得を目的とする権利(以下「土地に関する権利」という。)の移転又は設定(対価を得て行われる移転又は設定に限る。以下同じ。)をする契約(予約を含む。以下「土地売買等の契約」という。)…
    宅地建物取引業者Cが所有する市街化調整区域内の6,000平方メートルの土地について、宅地建物取引業者Dが購入する旨の予約をした場合、Dは当該予約をした日から起算して2週間以内に事後届出を行わなければならない。H21-15-3
  2. 誤り。都道府県知事が適正かつ合理的な土地利用を図るために必要な助言をすることができますが、その助言が公表されることはありません(国土利用計画法27条の2)。ただし、勧告の場合は公表されることがあります。
    都道府県知事は、第二十三条第一項の規定による届出があつた場合において、その届出をした者に対し、その届出に係る土地に関する権利の移転又は設定後における土地の利用目的について、当該土地を含む周辺の地域の適正かつ合理的な土地利用を図るために必要な助言をすることができる。
    都道府県知事は、事後届出をした者に対し、その届出に係る土地に関する権利の移転若しくは設定後における土地の利用目的又は土地に関する権利の移転若しくは設定の対価の額について、当該土地を含む周辺の地域の適正かつ合理的な土地利用を図るために必要な助言をすることができる。R3⑩-22-2
  3. [正しい]。国土利用計画法における「土地売買等の契約」には、契約の予約も含みます。市街化調整区域では5,000㎡以上の場合に事後届出が必要となるので、本肢の場合には予約の日から2週間以内に事後届出をしなければなりません(国土利用計画法14条)。
    宅地建物取引業者Aが都市計画区域外の10,000平方メートルの土地を時効取得した場合、Aは、その日から起算して2週間以内に事後届出を行わなければならない。H21-15-1
  4. 誤り。事後届出が必要な面積か否かの判断は取得者を基準とします。都市計画区域外では10,000㎡以上の場合に事後届出が必要ですが、本肢の場合、両買主が取得する面積はそれぞれ基準未満であるため、事後届出は不要です。
したがって正しい記述は[3]です。