都市計画法(全62問中62問目)

No.62

都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
平成12年試験 問20
  1. 図書館の建築の用に供する目的で行う開発行為は、市街化調整区域内におけるものであっても、その規模の大小を問わず、開発許可を受けることなく、行うことができる。
  2. 市街化調整区域内における開発行為であっても、その区域内で生産される農産物の加工に必要な建築物の建築の用に供する目的で行うものについては、開発許可を受けることなく、行うことができる。
  3. 都道府県知事は、市街化調整区域内の土地について開発許可をするときは、建築物の敷地面積に対する建築面積の割合に関する制限を定めることができるが、建築物の高さに関する制限を定めることはできない。
  4. 都道府県知事は、市街化区域内の土地について開発許可をしたときは、当該許可に係る開発区域内において予定される建築物の用途、構造及び設備を開発登録簿に登録しなければならない。

正解 1

問題難易度
肢171.7%
肢211.0%
肢35.9%
肢411.4%

解説

  1. [正しい]。駅や鉄道施設、図書館、公民館、変電所等の公益上必要な建築物で法で定めるものに供するための開発行為は、場所面積を問わず開発許可不要となります(都市計画法29条1項3号)。
    駅舎その他の鉄道の施設、図書館、公民館、変電所その他これらに類する公益上必要な建築物のうち開発区域及びその周辺の地域における適正かつ合理的な土地利用及び環境の保全を図る上で支障がないものとして政令で定める建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為
  2. 誤り。市街化区域以外の区域において開発許可が不要となる農林漁業用施設は、主に生産、集荷または生産資材の貯蔵・保管を行う建築物に限られています。加工用施設(建築面積90㎡超)は許可不要となる例外に該当しないので、開発許可を受けなければならない場合があります(都市計画法令20条)。
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  3. 誤り。都道府県知事は、用途地域の定められていない土地の開発許可に際して、建蔽率、建築物の高さ、壁面の位置その他建築物の敷地、構造及び設備に関する制限を定めることができます(都市計画法41条1項)。市街化調整区域は原則として用途地域を定めない区域ですので、都道府県知事は本肢の開発許可をするときに高さに関する制限を定めることができます。
    都道府県知事は、用途地域の定められていない土地の区域における開発行為について開発許可をする場合において必要があると認めるときは、当該開発区域内の土地について、建築物の建蔽率、建築物の高さ、壁面の位置その他建築物の敷地、構造及び設備に関する制限を定めることができる。
  4. 誤り。開発許可をした都道府県知事は、開発登録簿に許可の年月日、予定建築物の用途、許可の内容、制限の内容等を登録しなければなりません(都市計画法47条)。ただし、予定建築物の用途については、用途地域等の区域内、第一種特定工作物に関する開発許可では登録不要とされています。市街化区域は少なくとも用途地域を定めていますので、予定建築物の用途は登録不要です。また、それ以外の区域についても構造及び設備については登録する必要はありません。
    都道府県知事は、開発許可をしたときは、当該許可に係る土地について、次に掲げる事項を登録簿に登録しなければならない。
    一 開発許可の年月日
    二 予定建築物等(用途地域等の区域内の建築物及び第一種特定工作物を除く。)の用途
    三 公共施設の種類、位置及び区域
    四 前三号に掲げるもののほか、開発許可の内容
    五 第四十一条第一項の規定による制限の内容
    六 前各号に定めるもののほか、国土交通省令で定める事項
    法第29条に基づく許可を受けた者は、当該許可に係る土地についての一定の事項を開発登録簿に登録しなければならない。R6-16-4
したがって正しい記述は[1]です。