家族法(全31問中10問目)

No.10

相続(令和6年7月1日に相続の開始があったもの)に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
令和2年10月試験 問8
  1. 相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。
  2. 被相続人の子が相続開始以前に死亡したときは、その者の子がこれを代襲して相続人となるが、さらに代襲者も死亡していたときは、代襲者の子が相続人となることはない。
  3. 被相続人に相続人となる子及びその代襲相続人がおらず、被相続人の直系尊属が相続人となる場合には、被相続人の兄弟姉妹が相続人となることはない。
  4. 被相続人の兄弟姉妹が相続人となるべき場合であっても、相続開始以前に兄弟姉妹及びその子がいずれも死亡していたときは、その者の子(兄弟姉妹の孫)が相続人となることはない。

正解 2

問題難易度
肢111.2%
肢260.7%
肢318.5%
肢49.6%

解説

  1. 正しい。相続回復の請求権は、相続の開始後に真の相続人の相続権が、相続人と称する者(共同相続人を含む)に侵害されたときに、その相続権を回復するために定められている権利です(最判昭53.12.20)。相続回復の請求権は、相続人またはその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないとき、または相続開始から20年間経過したときに時効によって消滅します(民法884条)。
    民法八八四条の相続回復請求の制度は、いわゆる表見相続人が真正相続人の相続権を否定し相続の目的たる権利を侵害している場合に、真正相続人が自己の相続権を主張して表見相続人に対し侵害の排除を請求することにより、真正相続人に相続権を回復させようとするものである。
    相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から二十年を経過したときも、同様とする。
  2. [誤り]。子が法定相続人となる場合、子が死亡していれば孫、孫が死亡していればひ孫というように直系卑属への代襲相続、再代襲相続が認められています(民法887条)。
    被相続人の子は、相続人となる。
    2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
    3 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。
    被相続人の子が、相続の開始後に相続放棄をした場合、その者の子がこれを代襲して相続人となる。H14-12-4
  3. 正しい。法定相続人の範囲ですが、死亡した人の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人は、「子」→「直系尊属」→「兄弟姉妹」の順序で配偶者と一緒に相続人になります。直系尊属が存命している場合は兄弟姉妹が相続人となることはありません(民法889条)。
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    次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
    一 被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
    二 被相続人の兄弟姉妹
  4. 正しい。兄弟姉妹が相続人となるケースで、兄弟姉妹が死亡等で相続できない場合にはその兄弟姉妹の子が代襲相続しますが、子が相続人となるケース(肢2)とは異なり、兄弟姉妹の代襲相続は一代限りで再代襲は認められていません(民法889条2項)。
したがって誤っている記述は[2]です。