条文問題・その他(全9問中5問目)

ご注意ください。
法令改正により、この問題の記述は現行の内容と異なっている可能性があります。

No.5

次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。
平成27年試験 問1
  1. 債務の不履行に基づく人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する旨
  2. 事業のために負担した賃金債務を主たる債務とする保証契約は、保証人になろうとする者が、契約締結の日の前1か月以内に作成された公正証書で保証債務を履行する意思を表示していなければ無効となる旨
  3. 併存的債務引受は、債権者と引受人となる者とも契約によってすることができる旨
  4. 債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める旨

正解 4

問題難易度
肢134.3%
肢27.5%
肢310.4%
肢447.8%

解説

※民法改正により全て条文で規定されるようになったので問題不成立。本解説は試験実施時の法令に基づくものですのでご注意ください。
肢1:724条2号
肢2:465条の6第1項
肢3:470条2項
肢4:418条(変わらず)
  1. 誤り。「20年間」とする点が誤りです。
    消滅時効は、権利を行使することができる時が起算点になっていることは正しいのですが、債権の消滅時効は「10年」です(旧民法167条1項)。これは、「債務の不履行に基づく人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権」であっても変わりありません。
    債権は、十年間行使しないときは、消滅する。
  2. 誤り。民法では「保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない」と定められていますが、「公正証書」の記述はありません(旧民法446第2項)。したがって、保証契約を締結する書面は「公正証書」に限定されません。
    保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
  3. 誤り。このような条文は民法にはありません。
    問題文の内容は「判例」によって示されているものです(大判大15.3.25)。
  4. [正しい]。問題文の内容は過失相殺に関する条項として民法に規定されています(旧民法418条)。
    債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める。
したがって正しい記述は[4]です。