宅建試験過去問題 令和6年試験 問42
問42
次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定及び「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」によれば、誤っているものはどれか。- 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない。
- 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買の契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、宅地又は建物の引渡しの時期について故意に不実のことを告げた場合であっても、契約が成立したときに宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面に当該事項を正確に記載すればよい。
- 「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」によれば、売買取引の対象となる居住用不動産において、自然死や日常生活の中での不慮の死が発生した場合であっても、過去に人が死亡し、長期間にわたって人知れず放置されたこと等に伴ういわゆる特殊清掃や大規模リフォーム等が行われていなければ、宅地建物取引業者は、原則として、買主に対してこれを告げなくてもよい。
- 「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」によれば、賃貸借取引の対象となる居住用不動産において、自然死や日常生活の中での不慮の死以外の死が発生した場合であっても、特段の事情がない限り、当該死が発覚してから概ね3年間を経過した後は、宅地建物取引業者は、原則として、借主に対してこれを告げなくてもよい。
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正解 2
問題難易度
肢13.4%
肢263.3%
肢320.2%
肢413.1%
肢263.3%
肢320.2%
肢413.1%
分野
科目:5 - 宅地建物取引業法等細目:5 - 業務上の規制
解説
- 正しい。宅地建物取引業者やその従業者等は、物件の契約の勧誘をする際に、相手方に利益を生ずることが確実であると誤解される断定的判断を提供してはいけません(宅建業法47条の2第1項)。
例えば、「2~3年後には、物件価格の上昇が確実である」、「この物件を購入したら、一定期間、確実に収入が得られる。損はしない」など利益が確実であるように告げること、「将来南側に●階建て以上の建物が建つ予定は全くない」など環境や交通の利便に関して確実であるように告げることが禁止される行為に該当します。宅地建物取引業者又はその代理人、使用人その他の従業者(以下この条において「宅地建物取引業者等」という。)は、宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない。
宅地建物取引業者は、宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、その相手方に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない。(R1-27-エ)A:先日来たとき、5年後の転売で利益が生じるのが確実だといわれたが本当か。B:弊社が数年前に分譲したマンションが、先日高値で売れました。このマンションはそれより立地条件がよく、また、近隣のマンション価格の動向からみても、5年後値上がりするのは間違いありません。(H27-41-イ)建物の販売に際して、利益を生ずることが確実であると誤解させる断定的判断を提供する行為をしたが、実際に売買契約の成立には至らなかった。(H18-40-1)A社は、その相手方等に対して契約の目的物である宅地又は建物の将来の環境等について誤解させるべき断定的判断を提供することは禁止されているが、過失によって当該断定的判断を提供してしまった場合でも免責されない。(H16-44-2)Aは、Bとの間で3,000万円の宅地の売買契約を締結したが、契約前に当該宅地の周辺の価格が値上がりしているので、2年後には、当該宅地の価格が上昇し、Bが転売によって利益を得ることが確実である旨の説明を行った。(H15-38-1) - [誤り]。宅地建物取引業者が、物件の契約の勧誘、申込みの撤回、解除の際に、一定の重要な事実について故意に事実を告げない、又は不実(事実ではない)のことを告げる行為は禁止されています(宅建業法47条1号)。「物件の引渡し時期」は事実不告知・不実告知が適用される重大事実に含まれるので、故意に不実告知を行った時点で宅建業法に違反します。
宅地建物取引業者は、その業務に関して、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次に掲げる行為をしてはならない。
一 宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の契約の締結について勧誘をするに際し、又はその契約の申込みの撤回若しくは解除若しくは宅地建物取引業に関する取引により生じた債権の行使を妨げるため、次のいずれかに該当する事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為宅地建物取引業者は、調査の結果判明した法第35条第1項各号に掲げる事項であっても、売主が秘密にすることを希望した場合は、買主に対して説明しなくてもよい。(R2⑫-36-4)Aが、賃貸アパートの媒介に当たり、入居申込者が無収入であることを知っており、入居申込書の収入欄に「年収700万円」とあるのは虚偽の記載であることを認識したまま、その事実を告げずに貸主に提出した行為は法に違反する。(H28-34-1)A社は、その相手方等に対して契約に係る重要な事項について故意に事実を告げない行為は禁止されているが、法人たるA社の代表者が当該禁止行為を行った場合、当該代表者については懲役刑が科されることがあり、またA社に対しても罰金刑が科されることがある。(H16-44-4) - 正しい。人の死に関する告知義務の対象となるのは、原則として過去3年以内に、①自然死以外の死が発生した場合、②特殊清掃等が行われる死が発覚した場合です。よって、自然死については特殊清掃等が行われた場合を除き、告知する必要はありません。また、事故死に相当するものであっても、自宅の階段からの転落、入浴中の溺死、転倒事故、食事中の誤嚥など、日常生活の中で生じた不慮の事故による死については、自然死と同様に、原則としてこれを告げなくてもよいことになっています(ガイドライン4(3))。
- 正しい。死の告知は、原則として死の発生又は発覚から3年以内に限り義務付けられます。ただし、事件性、周知性、社会に与えた影響等が特に高い事案についてはこの限りではないので、当該死が社会的影響のある事件によるものであった場合には、たとえ3年を経過していても告知する義務があります(ガイドライン4(1))。
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