宅建試験過去問題 令和5年試験 問50

問50

建物の構造と材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  1. 鉄筋コンクリート構造は、地震や風の力を受けても、躯体の変形は比較的小さく、耐火性にも富んでいる。
  2. 鉄筋コンクリート構造は、躯体の断面が大きく、材料の質量が大きいので、建物の自重が大きくなる。
  3. 鉄筋コンクリート構造では、鉄筋とコンクリートを一体化するには、断面が円形の棒鋼である丸鋼の方が表面に突起をつけた棒鋼である異形棒鋼より、優れている。
  4. 鉄筋コンクリート構造は、コンクリートが固まって所定の強度が得られるまでに日数がかかり、現場での施工も多いので、工事期間が長くなる。

正解 3

問題難易度
肢15.8%
肢27.2%
肢374.9%
肢412.1%

解説

  1. 適切。鉄筋コンクリート構造(RC造)は、鉄筋(鉄の棒や線)をコンクリートで覆ったものを構造部材として用いる建築構造です。コンクリートと鉄筋には下表のような性質があるため、両者を組み合わせることで耐久性と耐火性の両面を強化しています。
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  2. 適切。鉄筋コンクリート構造は、木造や鉄骨造と比べて柱や梁の断面が大きく、材料もコンクリートと鉄で重いので、建物の自重が大きくなります。
  3. [不適切]。付着性能は異形棒鋼のほうが優れています。円形と円形に突起をつけた形状を比較した場合、突起がコンクリートとの引っ掛かりとなり、また断面積の大きさから摩擦が大きくなるので、異形棒鋼のほうが優れています。
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  4. 適切。鉄筋コンクリート構造は、コンクリートが乾燥して固まるまでの養生期間があり、また現地で鉄筋を組んでコンクリートを流す手間があること、大きい自重を支えるための追加の地盤改良や基礎工事が必要になることから、施工工期は長くなる傾向にあります。
したがって適切な記述は[3]です。