建物の形質・構造及び種別(全27問中25問目)

No.25

建築物の構造に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
平成14年試験 問50
  1. 木造の建築物に、鉄筋の筋かいを使用してはならない。
  2. 鉄筋コンクリート造に使用される鉄筋は、コンクリートの表面にできる限り近づけて設けるのがよい。
  3. 免震建築物の免震層には、積層ゴムやオイルダンパー(油の粘性を利用して振動や衝撃を和らげる装置)が使用される。
  4. 鉄骨造では、必ず溶接によって接合しなければならない。

正解 3

問題難易度
肢18.2%
肢29.8%
肢369.4%
肢412.6%

解説

  1. 誤り。木造の建築物には、木材または鉄筋の筋かいを使用しなければなりません(建築基準法令45条1項)。必ずしも鉄筋を使用しなければならないということはありません。
    引張り力を負担する筋かいは、厚さ一・五センチメートル以上で幅九センチメートル以上の木材又は径九ミリメートル以上の鉄筋を使用したものとしなければならない。
  2. 誤り。鉄筋とコンクリート表面の距離であるかぶり厚さは、構造や用途等により適度な厚さを保つのが良いとされています。鉄筋コンクリート造に使用される鉄筋は、コンクリートの表面にできる限り近づけて設けるのがよいわけではありません(建築基準法令79条)。
    鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、耐力壁以外の壁又は床にあつては二センチメートル以上、耐力壁、柱又は はりにあつては三センチメートル以上、直接土に接する壁、柱、床若しくは はり又は布基礎の立上り部分にあつては四センチメートル以上、基礎(布基礎の立上り部分を除く。)にあつては捨コンクリートの部分を除いて六センチメートル以上としなければならない。
  3. [正しい]。免震建築物の免震層には、積層ゴムやオイルダンパーが使用されます。建物の基礎と上部構造の間に免振装置を設け、地震力を免震構造で一部吸収して低減させる構造で、既存建物でも事後的に設置可能です。
  4. 誤り。鉄骨造では、必ず溶接によって接合するわけではなく、溶接以外の工法として高力ボルト接合やリベット結合も認められています(建築基準法令67条1項)。
    構造耐力上主要な部分である鋼材の接合は、接合される鋼材が炭素鋼であるときは高力ボルト接合、溶接接合若しくはリベット接合(構造耐力上主要な部分である継手又は仕口に係るリベット接合にあつては、添板リベット接合)又はこれらと同等以上の効力を有するものとして国土交通大臣の認定を受けた接合方法に、接合される鋼材がステンレス鋼であるときは高力ボルト接合若しくは溶接接合又はこれらと同等以上の効力を有するものとして国土交通大臣の認定を受けた接合方法に、それぞれよらなければならない。ただし、軒の高さが九メートル以下で、かつ、張り間が十三メートル以下の建築物(延べ面積が三千平方メートルを超えるものを除く。)にあつては、ボルトが緩まないように次の各号のいずれかに該当する措置を講じたボルト接合によることができる。
したがって正しい記述は[3]です。