土地の形質・地積・地目及び種別(全27問中1問目)

No.1

土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
令和6年試験 問49
  1. 30度以上の角度をなす斜面を背後に控える宅地は、崖面への保護対策を講じるか、擁壁を設けるなどの必要がある。
  2. 高さ2m以下の擁壁であれば、水抜き孔を有しなくても、地震による被害が生じることはない。
  3. 重力式擁壁は、擁壁の自重により、背面からの土圧に抵抗するコンクリート構造物である。
  4. 工場跡地や埋立地などでは、重金属や揮発性有機化合物などによる土壌汚染が問題となることがある。

正解 2

問題難易度
肢13.5%
肢288.0%
肢35.7%
肢42.8%

解説

  1. 適切。30度以上の急傾斜地を背後に控える宅地では、崖崩れや土砂の流出のリスクが高くなるため、都道府県の条例により、擁壁を設置するか、崖面の補強や法面工事といった保護対策を講じることが求められます。
  2. [不適切]。水抜き孔は、擁壁の裏面に溜まる雨水や地表水、地下水の圧力を緩和する役割を果たします。高さ2mを超える擁壁や宅地造成等に関する工事に伴う擁壁には、水抜き孔を設けることが必要です(建築基準法令142条)。一方、高さ2m以下の擁壁については建築確認が不要なため、水抜き孔を有しないなど安全性を満たさない擁壁が存在しており、これらは特に地震時に倒壊するリスクが大きいと言えます。
  3. 適切。重力式擁壁は、コンクリートや石材などの自重により土圧に抵抗する構造物です。擁壁自体の重みを利用して安定性を確保し、背後からの土圧を受け止める役割を果たします。他の方式として、鉄筋コンクリート造擁壁、練積ブロック擁壁、空石積み擁壁などがあります。
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  4. 適切。工場跡地や埋立地では、過去の産業活動や埋立材料により、土壌が重金属や揮発性有機化合物で汚染されていることが多く、健康や環境に対するリスクとなり得ます。そのため、土壌汚染の有無を確認する調査や対策が必要とされます。
したがって不適切な記述は[2]です。