35条書面(全61問中47問目)

No.47

宅地建物取引業者Aが売主Bと買主Cの間の建物の売買について媒介を行う場合に交付する「35条書面」又は「37条書面」に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、35条書面とは、同法第35条の規定に基づく重要事項を記載した書面を、37条書面とは、同法第37条の規定に基づく契約の内容を記載した書面をいうものとする。また、書面の交付には、宅地建物取引業者の相手方等又は契約の各当事者の承諾を得て行う電磁的方法による提供を含むものとする。
平成19年試験 問40
  1. Aは、35条書面及び37条書面のいずれの交付に際しても、宅地建物取引士をして、当該書面への記名及びその内容の説明をさせなければならない。
  2. Bが宅地建物取引業者でその承諾がある場合、Aは、Bに対し、35条書面及び37条書面のいずれの交付も省略することができる。
  3. Cが宅地建物取引業者でその承諾がある場合、Aは、Cに対し、35条書面の交付を省略することができるが、37条書面の交付を省略することはできない。
  4. Aが、宅地建物取引業者Dと共同で媒介を行う場合、35条書面にAが調査して記入した内容に誤りがあったときは、Aだけでなく、Dも業務停止処分を受けることがある。

正解 4

問題難易度
肢16.9%
肢23.5%
肢312.1%
肢477.5%

解説

  1. 誤り。宅地建物取引士でなければできない業務は以下の3つです。
    • 35条書面(重要事項説明書)への記名
    • 35条書面の内容の説明
    • 37条書面(契約)への記名
    35条書面については記名・説明ともに宅地建物取引士が行わなければなりませんが、37条書面の交付に際に宅地建物取引士に説明させる義務はありません。
  2. 誤り。Bは売主です。35条書面は買主や借主に対して交付する書面ですので、そもそも売主Bに対して交付する必要はありません。一方、37条書面は契約当事者(売主・買主・貸主・借主)全員への交付が必要です。37条書面の交付は相手が宅地建物取引業者であっても省略することはできません。よって、宅地建物取引業者Aは売主Bに対して37条書面のみ交付する必要があります。
  3. 誤り。買主が宅地建物取引業者で承諾があったとしても、35条書面及び37条書面の交付を省略することはできません。
  4. [正しい]。複数の宅地建物取引業者が共同で媒介を行う場合、媒介に関わった全ての宅地建物取引業者が共同で35条書面の作成・交付義務を負います。したがって、Aが記入した内容に誤りがあった場合には、Dも同様に業務停止処分を受ける場合があります(宅建業法65条2項2号)。
    Aは、自らが売主となった分譲マンションの売買において、法第35条に規定する重要事項の説明を行わなかった。この場合、Aは、甲県知事から業務停止を命じられることがある。H28-26-1
    Aは、甲県知事から指示処分を受けたが、その指示処分に従わなかった。この場合、甲県知事は、Aに対し、1年を超える期間を定めて、業務停止を命ずることができる。H28-26-3
    Aが宅地建物取引業法の規定に違反したとして甲県知事から指示処分を受け、その指示に従わなかった場合、甲県知事は、Aの免許を取り消さなければならない。H20-45-3
    Aが、乙県の区域内の業務に関し乙県知事から指示を受け、その指示に従わなかった場合でも、甲県知事は、Aに対し業務停止の処分をすることはできない。H18-45-2
    宅地建物取引士Gは、取引士証の有効期間内に更新をせず、有効期間の満了日から2週間後に取引士証の交付を受けた。その2週間の間にGに重要事項説明を行わせた宅地建物取引業者Hは業務停止処分を受けることがある。H16-34-4
したがって正しい記述は[4]です。