不動産鑑定評価基準(全13問中12問目)
No.12
不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準によれば、正しいものはどれか。平成16年試験 問29
- 不動産鑑定評価基準にいう「特定価格」とは、市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とする評価目的の下、正常価格の前提となる諸条件を満たさない場合における不動産の経済価値を適正に表示する価格をいう。
- 鑑定評価は、対象不動産の現況を所与の条件としなければならず、依頼目的に応じて想定上の条件を付すことはできない。
- 鑑定評価に当たって必要とされる取引事例は、当該事例に係る取引の事情が正常なものでなければならず、特殊な事情の事例を補正して用いることはできない。
- 収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより対象不動産の試算価格を求める手法であるため、自用の住宅地には適用することはできない。
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正解 1
問題難易度
肢159.9%
肢213.9%
肢312.8%
肢413.4%
肢213.9%
肢312.8%
肢413.4%
分野
科目:4 - 不動産価格の評定細目:2 - 不動産鑑定評価基準
解説
- [正しい]。特定価格とは、市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とする鑑定評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさないことにより正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することとなる場合における不動産の経済価値を適正に表示する価格をいいます(鑑定評価基準5章第3節)。
- 誤り。依頼目的や依頼者の事情による制約がある場合には、依頼者の同意を得て、想定上の条件を設定して鑑定評価を行うことができるとしています(鑑定評価基8章6節)。
- 誤り。鑑定評価に当たって必要とされる取引事例は、取引事情が正常なもの又は正常なものに補正可能なものとされています。特殊な事情の事例であっても、これを補正することが可能であれば、事情補正および時点修正を行った後の事例を用いることが可能です(鑑定評価基準7章1節)。
- 誤り。収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより対象不動産の試算価格を求める手法で、直接還元法とDCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)法の2つがあります。収益還元法は賃貸不動産の価格を求める場合に特に有効な方法ですが、それに限らず文化財等一般的に市場性を有しないと認められる不動産以外のものには適用すべきとされています。自用の住宅地であっても賃貸を想定することにより適用することが可能です(鑑定評価基準7章1節)。
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