8種制限(全74問中58問目)

No.58

宅地建物取引業者Aが自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bと土地付建物の売買契約を締結した場合における、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第37条の2の規定による売買契約の解除に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
平成17年試験 問41
  1. BがAのモデルルームにおいて買受けの申込みをし、Bの自宅付近の喫茶店で売買契約を締結した場合は、Bは売買契約を解除することができない。
  2. BがAの事務所において買受けの申込みをした場合は、売買契約を締結した場所がAの事務所であるか否かにかかわらず、Bは売買契約を解除することができない。
  3. Bがホテルのロビーにおいて買受けの申込みをし、当該場所において売買契約を締結した場合、既に当該土地付建物の引渡しを受け、かつ、代金の全部を支払った場合でも、Aが法第37条の2に規定する内容について書面で説明していないときは、Bは当該契約を解除することができる。
  4. Bがレストランにおいて買受けの申込みをし、当該場所において売買契約を締結した場合、Aが法第37条の2に規定する内容について書面で説明し、その説明の日から起算して8日を経過した場合は、Bは当該契約を解除することができない。

正解 3

問題難易度
肢123.9%
肢214.4%
肢356.2%
肢45.5%

解説

次の条件のいずれかを満たす場合、クーリング・オフによる契約解除はできません。逆を言えば、どれにも該当しなければクーリング・オフできるということです(宅建業法37条の2)。
  1. 宅地建物取引業者の事務所等で買受けの申込みまたは売買契約(事務所等以外の場所で買受けの申込みをした場合を除く)をしている
  2. クーリング・オフについて書面で告げられた日から起算して8日を経過している
  3. 物件の引渡しを受け、かつ、代金全額を支払っている
  4. 買主が宅地建物取引業者である
  1. 正しい。モデルルームは一団の宅地建物の分譲を行う案内所としてクーリング・オフできない事務所等に含まれます(宅建業法規則16条の5第1号ロ)。事務所等で買受けの申込みをした場合には、クーリング・オフできません。
    Bは、Aの仮設テント張りの案内所で買受けの申込みをし、2日後、Aの事務所で契約を締結した上で代金全額を支払った。その5日後、Bが、宅地の引渡しを受ける前に当該契約について解除の書面を送付した場合、Aは代金全額が支払われていることを理由に契約の解除を拒むことができる。R2⑫-39-1
    買主Bは、20区画の宅地を販売するテント張りの案内所において、買受けを申し込み、契約を締結して、手付金を支払った。Bは、Aからクーリング・オフについて書面で告げられていなくても、その翌日に契約の解除をすることができる。H15-39-1
    Aが、法第31条の3第1項の規定により専任の宅地建物取引士を置いて現地案内所を設置している場合に、当該案内所で買受けの申込みをした者は、申込みの日から起算して8日以内であれば、無条件で申込みの撤回をすることができる。H13-43-4
  2. 正しい。売買契約の解除ができるか否かは買受けの申込みを行った場所を基準に判断されます。本肢の場合、事務所で買受けの申込みをしているためクーリング・オフによる契約の解除はできません。
  3. [誤り]。ホテルのロビーは事務所等に該当しないため場所的要件は満たしています。しかし、代金全額の支払いと物件の引渡しを終えているため、クーリング・オフについての説明がなかった場合、また説明を受けてから8日以内であった場合でも契約解除できません。
  4. 正しい。クーリング・オフによる契約解除の意思表示は、クーリング・オフについての説明を受けた日から起算して8日以内に行わなくてはなりません。8日を経過するとクーリング・オフの適用はありません。
したがって誤っている記述は[3]です。