35条書面(全61問中10問目)

No.10

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bに対し建物の売却を行う場合における宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
令和3年10月試験 問26
  1. Aは、Bに対し、専任の宅地建物取引士をして説明をさせなければならない。
  2. Aは、Bに対し、代金以外に授受される金銭の額だけでなく、当該金銭の授受の目的についても説明しなければならない。
  3. Aは、Bに対し、建物の上に存する登記された権利の種類及び内容だけでなく、移転登記の申請の時期についても説明しなければならない。
  4. Aは、Bに対し、売買の対象となる建物の引渡しの時期について説明しなければならない。

正解 2

問題難易度
肢17.8%
肢271.2%
肢39.5%
肢411.5%

解説

  1. 誤り。専任の宅地建物取引士でなければ行えない業務はありません。よって「専任の」という部分が誤りです。例えば、パートやアルバイトの宅地建物取引士であっても重要事項の説明をすることは可能ということです。
  2. [正しい]。代金、交換差金及び借賃以外に授受される金銭の額に加え、その金銭の授受の目的も重要事項として説明しなければなりません(宅建業法35条1項7号)。一方、37条書面では「授受の時期」も記載事項に含まれるので、しっかり押さえ分けをしておきましょう。
    重要事項説明では、代金、交換差金又は借賃の額を説明しなければならないが、それ以外に授受される金銭の額については説明しなくてよい。R1-41-4
    建物の売買の媒介を行う場合、当該建物の売買代金の額並びにその支払の時期及び方法について説明する義務はないが、売買代金以外に授受される金銭があるときは、当該金銭の額及び授受の目的について説明しなければならない。H28-36-ウ
    宅地建物取引業者は、マンションの1戸の貸借の媒介を行う場合、借賃以外に授受される金銭の定めがあるときは、その金銭の額、授受の目的及び保管方法を説明しなければならない。H25-33-4
    建物の貸借の媒介を行う場合、借賃以外に授受される金銭の額については説明しなければならないが、当該金銭の授受の目的については説明する必要はない。H23-32-1
    宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、借賃以外に金銭の授受があるときは、その額及び授受の目的について、法第35条に規定する重要事項を記載した書面に記載しているのであれば、法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に記載する必要はない。H22-34-1
    敷金の授受の定めがあるときは、その敷金の額、契約終了時の敷金の精算に関する事項及び金銭の保管方法を説明しなければならない。H17-38-4
    敷金の額については説明したが、その敷金をどのように精算するかについては説明しなかった。H13-36-2
  3. 誤り。登記された権利の種類及び内容は取引態様を問わず重要事項説明の内容です。しかし、移転登記の申請の時期は重要事項説明の内容にはなっていません(37条書面の記載事項です)。
  4. 誤り。物件の引渡し時期は、37条書面の記載事項となってはいますが、重要事項説明の内容にはなっていません。引渡しの時期や金銭の支払時期などの「時期」は、契約者ごとに異なるので重説の対象外と考えましょう。
したがって正しい記述は[2]です。