業務上の規制(全77問中45問目)

No.45

宅地建物取引業者A社が行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものはいくつあるか。
  1. A社は、建物の販売に際して、買主が手付として必要な額を持ち合わせていなかったため、手付を貸し付けることにより、契約の締結を誘引した。
  2. A社は、建物の販売に際して、短時間であったが、私生活の平穏を害するような方法により電話勧誘を行い、相手方を困惑させた。
  3. A社は、建物の販売に際して、売買契約の締結後、買主から手付放棄による契約解除の申出を受けたが、正当な理由なく、これを拒んだ。
  4. A社は、建物の売買の媒介に際して、売買契約の締結後、買主に対して不当に高額の報酬を要求したが、買主がこれを拒んだため、その要求を取り下げた。
平成23年試験 問41
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

正解 4

問題難易度
肢10.4%
肢21.2%
肢35.6%
肢492.8%

解説

  1. 違反する。手付けを貸し付けることや、信用を供与することにより契約締結を誘引する行為は禁止されています(宅建業法47条3号)。
    宅地建物取引業者は、その業務に関して、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次に掲げる行為をしてはならない。

    三 手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為
  2. 違反する。契約締結の勧誘に際し、私生活の平穏を害するような方法で相手方を困惑する行為は、たとえ短時間であっても禁止されています(宅建業法規則16条の12第1号ヘ)。
    深夜又は長時間の勧誘その他の私生活又は業務の平穏を害するような方法によりその者を困惑させること。
  3. 違反する。相手方等が手付を放棄して契約の解除をしようとしているのに、正当な理由なく、これを拒むことはできません(宅建業法規則16条の12第3号)。
    宅地建物取引業者の相手方等が手付を放棄して契約の解除を行うに際し、正当な理由なく、当該契約の解除を拒み、又は妨げること。
  4. 違反する。宅地建物取引業者は、相手方に対し、不当に高額の請求を要求してはいけません(宅建業法47条2号)。実際に受け取っていなくても請求した時点で宅建業法違反となります。
    宅地建物取引業者は、その業務に関して、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次に掲げる行為をしてはならない。

    二 不当に高額の報酬を要求する行為
したがって違反するものは「四つ」です。