宅地建物取引業・免許(全57問中56問目)

No.56

次の記述のうち、宅地建物取引業法の免許を受ける必要のないものはどれか。
平成13年試験 問30
  1. 建設業法による建設業の許可を受けているAが、建築請負契約に付帯して取り決めた約束を履行するため、建築した共同住宅の売買のあっせんを反復継続して行う場合
  2. 地主Bが、都市計画法の用途地域内の所有地を、駐車場用地2区画、資材置場1区画、園芸用地3区画に分割したうえで、これらを別々に売却する場合
  3. 地主Cが、その所有地に自らマンションを建設した後、それを入居希望者に賃貸し、そのマンションの管理をCが行う場合
  4. 農家Dが、その所有する農地を宅地に転用し、全体を25区画に造成した後、宅地建物取引業者Eに販売代理を依頼して分譲する場合

正解 3

問題難易度
肢13.8%
肢25.0%
肢380.7%
肢410.5%

解説

  1. 不適切。建築請負契約に付帯するものであっても、反復継続して売買の斡旋を行う場合、宅地建物取引業者の免許が必要となります。
  2. 不適切。用途地域内の道路・公園・河川・広場・水路を除く土地は、どのような目的で譲渡する場合であっても、すべて宅建業法上の「宅地」に該当します(宅建業法2条1号)。区画割りして行う宅地の販売等複数の者に対して行われるものは反復継続的な取引に該当するので、別々に売却するBは免許を受ける必要があります。
    宅地建物取引業者Aが、自ら所有する複数の建物について、複数人に対し、反復継続して賃貸する行為は、宅地建物取引業に該当しない。R5-38-ア
    宅地建物取引士とは、宅地建物取引士資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受けた者をいう。R5-38-イ
    建設業者Bが、建築請負工事の受注を目的として、業として宅地の売買の媒介を行う行為は、宅地建物取引業に該当しない。R5-38-ウ
    宅地とは、建物の敷地に供せられる土地をいい、道路、公園、河川、広場及び水路に供せられているものは宅地には当たらない。R3⑫-34-1
    宅地建物取引業とは、宅地又は建物の売買等をする行為で業として行うものをいうが、建物の一部の売買の代理を業として行う行為は、宅地建物取引業に当たらない。R1-26-2
    宅地建物取引業者は、自ら貸主として締結した建物の賃貸借契約について、法第49条に規定されている業務に関する帳簿に、法及び国土交通省令で定められた事項を記載しなければならない。H29-35-1
    Aは、自ら所有している物件について、直接賃借人Bと賃貸借契約を締結するに当たり、法第35条に規定する重要事項の説明を行わなかった。この場合、Aは、甲県知事から業務停止を命じられることがある。H28-26-4
    都市計画法に規定する工業専用地域内の土地で、建築資材置き場の用に供されているものは、法第2条第1号に規定する宅地に該当する。H27-26-ア
    社会福祉法人が、高齢者の居住の安定確保に関する法律に規定するサービス付き高齢者向け住宅の賃借の媒介を反復継続して営む場合は、宅地建物取引業の免許を必要としない。H27-26-イ
    宅地建物取引士は、宅地建物取引士証の有効期間が満了している場合、35条書面に記名することはできるが、取引の相手方に対し説明はできない。H26-35-3
    A社は、建物の貸借に関し、自ら貸主として契約を締結した場合に、その相手方に37条書面を交付しなければならない。H25-31-ア
    Cが自己の所有する宅地を駐車場として整備し、賃貸を業として行う場合、当該賃貸の媒介を、免許を受けているD社に依頼するとしても、Cは免許を受けなければならない。H24-27-2
    Eが所有するビルを賃借しているFが、不特定多数の者に反復継続して転貸する場合、Eは免許を受ける必要はないが、Fは免許を受けなければならない。H24-27-3
    Aが、B社が甲県に所有する1棟のマンション(20戸)を、貸主として不特定多数の者に反復継続して転貸する場合、Aは甲県知事の免許を受けなければならない。H23-26-2
    他人の所有する複数の建物を借り上げ、その建物を自ら貸主として不特定多数の者に反復継続して転貸する場合は、免許が必要になるが、自ら所有する建物を貸借する場合は、免許を必要としない。H22-26-2
  3. [適切]。所有する物件を自ら当事者となり貸借する行為、賃貸管理業務は宅地建物取引業ではありません。よって、Cは免許を受ける必要はありません。
  4. 不適切。1回の販売行為として行われるものであっても、区画割りして行う宅地の販売等複数の者に対して行われるものは反復継続的な取引に該当します(解釈運用-第2条第2号関係)。代理の効果は依頼した本人に帰属することで、本人が反復継続的に宅地を販売していることになるため、Dは免許を受ける必要があります。
したがって適切な記述は[3]です。