宅地建物取引業・免許(全57問中2問目)

No.2

次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
  1. 宅地建物取引業者Aが、自ら所有する複数の建物について、複数人に対し、反復継続して賃貸する行為は、宅地建物取引業に該当しない。
  2. 宅地建物取引士とは、宅地建物取引士資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受けた者をいう。
  3. 建設業者Bが、建築請負工事の受注を目的として、業として宅地の売買の媒介を行う行為は、宅地建物取引業に該当しない。
  4. 宅地建物取引士は、宅地又は建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努めなければならない。
令和5年試験 問38
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

正解 2

問題難易度
肢18.6%
肢250.7%
肢335.8%
肢44.9%

解説

  1. 正しい。自ら貸主として宅地建物を貸借する行為は、不特定多数や反復継続的であっても宅地建物取引業に該当しません(宅建業法2条2号)。いわゆる大家業が対象外とされているのは、貸借は継続的な権利義務関係であるため宅地建物の「取引」とは呼べないこと、不動産の賃貸借が借地借家法で保護されていることなどの立法過程があります。
    宅地建物取引業 宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うものをいう。
    建設業者Bが、建築請負工事の受注を目的として、業として宅地の売買の媒介を行う行為は、宅地建物取引業に該当しない。R5-38-ウ
    宅地建物取引業とは、宅地又は建物の売買等をする行為で業として行うものをいうが、建物の一部の売買の代理を業として行う行為は、宅地建物取引業に当たらない。R1-26-2
    宅地建物取引業者は、自ら貸主として締結した建物の賃貸借契約について、法第49条に規定されている業務に関する帳簿に、法及び国土交通省令で定められた事項を記載しなければならない。H29-35-1
    Aは、自ら所有している物件について、直接賃借人Bと賃貸借契約を締結するに当たり、法第35条に規定する重要事項の説明を行わなかった。この場合、Aは、甲県知事から業務停止を命じられることがある。H28-26-4
    社会福祉法人が、高齢者の居住の安定確保に関する法律に規定するサービス付き高齢者向け住宅の賃借の媒介を反復継続して営む場合は、宅地建物取引業の免許を必要としない。H27-26-イ
    A社は、建物の貸借に関し、自ら貸主として契約を締結した場合に、その相手方に37条書面を交付しなければならない。H25-31-ア
    Cが自己の所有する宅地を駐車場として整備し、賃貸を業として行う場合、当該賃貸の媒介を、免許を受けているD社に依頼するとしても、Cは免許を受けなければならない。H24-27-2
    Eが所有するビルを賃借しているFが、不特定多数の者に反復継続して転貸する場合、Eは免許を受ける必要はないが、Fは免許を受けなければならない。H24-27-3
    Aが、B社が甲県に所有する1棟のマンション(20戸)を、貸主として不特定多数の者に反復継続して転貸する場合、Aは甲県知事の免許を受けなければならない。H23-26-2
    他人の所有する複数の建物を借り上げ、その建物を自ら貸主として不特定多数の者に反復継続して転貸する場合は、免許が必要になるが、自ら所有する建物を貸借する場合は、免許を必要としない。H22-26-2
  2. 誤り。宅建業法上の「宅地建物取引士」とは、宅建試験に合格して都道府県知事の登録を受け、宅地建物取引士証の交付を受けた者をいいます(宅建業法2条4号)。取引士証の交付を受けていない者は、宅地建物取引士ではないので重要事項説明や記名などの事務を行うことはできません。
    宅地建物取引士 第二十二条の二第一項の宅地建物取引士証の交付を受けた者をいう。
    宅地建物取引士は、宅地建物取引士証の有効期間が満了している場合、35条書面に記名することはできるが、取引の相手方に対し説明はできない。H26-35-3
    登録を受けている者で取引士証の交付を受けていない者が重要事項説明を行い、その情状が特に重いと認められる場合は、当該登録の消除の処分を受け、その処分の日から5年を経過するまでは、再び登録を受けることができない。H19-31-2
  3. 誤り。宅地建物の売買の媒介を業として行うことは、宅地建物取引業に該当します。建築業に付随する行為であっても例外ではありません(宅建業法2条2号)。
    宅地建物取引業者Aが、自ら所有する複数の建物について、複数人に対し、反復継続して賃貸する行為は、宅地建物取引業に該当しない。R5-38-ア
    宅地建物取引業とは、宅地又は建物の売買等をする行為で業として行うものをいうが、建物の一部の売買の代理を業として行う行為は、宅地建物取引業に当たらない。R1-26-2
    宅地建物取引業者は、自ら貸主として締結した建物の賃貸借契約について、法第49条に規定されている業務に関する帳簿に、法及び国土交通省令で定められた事項を記載しなければならない。H29-35-1
    Aは、自ら所有している物件について、直接賃借人Bと賃貸借契約を締結するに当たり、法第35条に規定する重要事項の説明を行わなかった。この場合、Aは、甲県知事から業務停止を命じられることがある。H28-26-4
    社会福祉法人が、高齢者の居住の安定確保に関する法律に規定するサービス付き高齢者向け住宅の賃借の媒介を反復継続して営む場合は、宅地建物取引業の免許を必要としない。H27-26-イ
    A社は、建物の貸借に関し、自ら貸主として契約を締結した場合に、その相手方に37条書面を交付しなければならない。H25-31-ア
    Cが自己の所有する宅地を駐車場として整備し、賃貸を業として行う場合、当該賃貸の媒介を、免許を受けているD社に依頼するとしても、Cは免許を受けなければならない。H24-27-2
    Eが所有するビルを賃借しているFが、不特定多数の者に反復継続して転貸する場合、Eは免許を受ける必要はないが、Fは免許を受けなければならない。H24-27-3
    Aが、B社が甲県に所有する1棟のマンション(20戸)を、貸主として不特定多数の者に反復継続して転貸する場合、Aは甲県知事の免許を受けなければならない。H23-26-2
    他人の所有する複数の建物を借り上げ、その建物を自ら貸主として不特定多数の者に反復継続して転貸する場合は、免許が必要になるが、自ら所有する建物を貸借する場合は、免許を必要としない。H22-26-2
  4. 正しい。宅地建物取引士は、宅地建物取引に関する事務に必要な知識及び能力の維持向上に努めなければなりません(宅建業法15条の3)。具体的には、最新の法令の的確な把握、必要な実務能力の研鑽、知識の更新に努めることなどが求められます(解釈運用-第15条の3関係)。
    ①公正誠実な業務処理の原則、②信用失墜行為の禁止、③知識・能力の維持向上という宅地建物取引士の責務3点セットは、平成27年に資格名称が宅地建物取引主任者から宅地建物取引士に改められたことを契機に創設されたものです。
    宅地建物取引士は、宅地又は建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努めなければならない。
    宅地建物取引士は、宅地建物取引の専門家として、常に最新の法令等を的確に把握し、これに合わせて必要な実務能力を磨くとともに、知識を更新するよう努めるものとする。
したがって正しいものは「二つ」です。