建築基準法(全55問中45問目)

No.45

建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
平成16年試験 問20
  1. 建築物の敷地が第一種住居地域と近隣商業地域にわたる場合、当該敷地の過半が近隣商業地域であるときは、その用途について特定行政庁の許可を受けなくとも、カラオケボックスを建築することができる。
  2. 建築物が第二種低層住居専用地域と第一種住居地域にわたる場合、当該建築物の敷地の過半が第一種住居地域であるときは、北側斜線制限が適用されることはない。
  3. 建築物の敷地が、都市計画により定められた建築物の容積率の限度が異なる地域にまたがる場合、建築物が一方の地域内のみに建築される場合であっても、その容積率の限度は、それぞれの地域に属する敷地の部分の割合に応じて按分計算により算出された数値となる。
  4. 建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合、建築物が防火地域外で防火壁により区画されているときは、その防火壁外の部分については、準防火地域の規制に適合させればよい。

正解 2

問題難易度
肢18.5%
肢255.7%
肢313.0%
肢422.8%

解説

  1. 正しい。建築物の敷地が異なる複数の用途地域にわたる場合、敷地全体について、当該敷地の過半が属する地域の用途制限が適用されます(建築基準法91条)。このため、本肢の敷地には近隣商業地域の用途規制に従います。近隣商業地域では、特定行政庁の許可を受けなくてもカラオケボックスを建築することが可能です。
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    建築物の敷地がこの法律の規定(第五十二条、第五十三条、第五十四条から第五十六条の二まで、第五十七条の二、第五十七条の三、第六十七条第一項及び第二項並びに別表第三の規定を除く。以下この条において同じ。)による建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する禁止又は制限を受ける区域(第二十二条第一項の市街地の区域を除く。以下この条において同じ。)、地域(防火地域及び準防火地域を除く。以下この条において同じ。)又は地区(高度地区を除く。以下この条において同じ。)の内外にわたる場合においては、その建築物又はその敷地の全部について敷地の過半の属する区域、地域又は地区内の建築物に関するこの法律の規定又はこの法律に基づく命令の規定を適用する。
  2. [誤り]。建築物の敷地が異なる用途地域にわたる場合、斜線制限は建築物の各部分ごとに適用されます(建築基準法56条5項)。北側斜線制限は一低・二低・田園住居・一中高・二中高の5つの用途地域を対象とするので、当該建物のうち第二種低層住居専用地域に存する部分に存する部分には北側斜線制限が適用されます(建築基準法56条1項3号)。
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    建築物が第一項第二号及び第三号の地域、地区又は区域の二以上にわたる場合においては、これらの規定中「建築物」とあるのは、「建築物の部分」とする。
  3. 正しい。建築物の敷地が容積率の異なる複数の地域にわたる場合、それぞれの地域に属する敷地の部分の割合に応じた按分計算により算出された数値が適用されます(建築基準法52条7項)。これは建ぺい率も同様です。
    建築物の敷地が第一項及び第二項の規定による建築物の容積率に関する制限を受ける地域、地区又は区域の二以上にわたる場合においては、当該建築物の容積率は、第一項及び第二項の規定による当該各地域、地区又は区域内の建築物の容積率の限度にその敷地の当該地域、地区又は区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計以下でなければならない。
  4. 正しい。建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合、その建築物の全部につき、より厳しい方の防火地域の規定が適用されます。ただし、建築物が防火地域外で防火壁により区画されているときは、その防火壁外の部分については、準防火地域の規制に適合させればよいこととなっています(建築基準法65条2項)。
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    建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合においては、その全部について防火地域内の建築物に関する規定を適用する。ただし、建築物が防火地域外において防火壁で区画されている場合においては、その防火壁外の部分については、準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。
    建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合、その全部について準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。R5-17-3
    建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合においては、その全部について、敷地の属する面積が大きい方の地域内の建築物に関する規定を適用する。R2⑫-17-1
    建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合においては、その全部について準防火地域内の建築物に関する規定が適用される。H13-20-3
したがって誤っている記述は[2]です。