建築基準法(全55問中22問目)

No.22

建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
平成28年試験 問19
  1. 特定行政庁が許可した場合、第一種低層住居専用地域内においても飲食店を建築することができる。
  2. 前面道路の幅員による容積率制限は、前面道路の幅員が12m以上ある場合は適用されない。
  3. 公園内にある建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものについては、建ぺい率の制限は適用されない。
  4. 第一種住居地域内における建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離は、当該地域に関する都市計画においてその限度が定められた場合には、当該限度以上でなければならない。

正解 4

問題難易度
肢115.0%
肢223.6%
肢312.5%
肢448.9%

解説

  1. 正しい。用途地域における用途制限は、特定行政庁の許可があれば適用が除外されます。したがって、店舗や飲食店は第一種低層住居専用地域内には建築できないのが原則ですが、特定行政庁が許可すれば建築することができます(建築基準法48条1項)。
    第一種低層住居専用地域内においては、別表第二(い)項に掲げる建築物以外の建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第一種低層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
  2. 正しい。容積率は、都市計画で定められた容積率(指定容積率)以下であることに加え、前面道路の幅員が12m未満である場合は「前面道路の幅員×法定乗数」以下でなければなりません。前面道路の幅員が12m以上であれば、後者の前面道路幅員による容積率の制限は適用されません(建築基準法52条2項)。
    前項に定めるもののほか、前面道路(前面道路が二以上あるときは、その幅員の最大のもの。以下この項及び第十二項において同じ。)の幅員が十二メートル未満である建築物の容積率は、当該前面道路の幅員のメートルの数値に、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数値を乗じたもの以下でなければならない。
    建築物の前面道路の幅員により制限される容積率について、前面道路が2つ以上ある場合には、これらの前面道路の幅員の最小の数値(12m未満の場合に限る。)を用いて算定する。H29-19-4
    容積率の制限は、都市計画において定められた数値によるが、建築物の前面道路(前面道路が二以上あるときは、その幅員の最大のもの。)の幅員が12m未満である場合には、当該前面道路の幅員のメートルの数値に法第52条第2項各号に定められた数値を乗じたもの以下でなければならない。H23-19-3
    法第42条第2項の規定により道路とみなされた道は、実際は幅員が4m未満であるが、建築物が当該道路に接道している場合には、法第52条第2項の規定による前面道路の幅員による容積率の制限を受ける。H18-21-3
    建築物の容積率の制限は、都市計画において定められた数値によるものと、建築物の前面道路の幅員に一定の数値を乗じて得た数値によるものがあるが、前面道路の幅員が12m未満である場合には、当該建築物の容積率は、都市計画において定められた容積率以下でなければならない。H17-22-1
    建築物の前面道路の幅員に一定の数値を乗じて得た数値による容積率の制限について、前面道路が二つ以上ある場合には、それぞれの前面道路の幅員に応じて容積率を算定し、そのうち最も低い数値とする。H17-22-2
    建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合は、都市計画において定められた数値以下でありさえすればよい。H13-21-3
  3. 正しい。公園、広場、道路、川などにある建築物で、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものについては、建ぺい率の制限は適用されません(建築基準法53条5項)。
    前各項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
    一 第一項第二号から第四号までの規定により建蔽率の限度が十分の八とされている地域内で、かつ、防火地域内にある耐火建築物
    二 巡査派出所、公衆便所、公共用歩廊その他これらに類するもの
    三 公園、広場、道路、川その他これらに類するものの内にある建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したもの
    建ぺい率の限度が10分の8とされている地域内で、かつ、防火地域内にある耐火建築物については、建ぺい率の制限は適用されない。H25-18-2
    建ぺい率の限度が10分の8とされている地域内で、かつ、防火地域内にある耐火建築物については、建ぺい率の限度が10分の9に緩和される。H23-19-4
  4. [誤り]。第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・田園住居地域内では、通常50cm以上とされる外壁等と隣地境界線との距離について、1m又は1.5m以上とすることを都市計画に定めることができます(建築基準法54条)。これら3つの地域は、低層住宅に係る良好な住居環境の保護を目的としており、外壁の後退距離を長くとることが、日照、通風、採光、延長防止に寄与するからです。しかし、第一種住居地域では、外壁距離の後退の定めはできません。
    第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域内においては、建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離(以下この条及び第八十六条の六第一項において「外壁の後退距離」という。)は、当該地域に関する都市計画において外壁の後退距離の限度が定められた場合においては、政令で定める場合を除き、当該限度以上でなければならない。
    2 前項の都市計画において外壁の後退距離の限度を定める場合においては、その限度は、一・五メートル又は一メートルとする。
したがって誤っている記述は[4]です。