都市計画法(全58問中34問目)

No.34

都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市、特例市にあってはその長をいうものとする。
平成20年試験 問19
  1. 開発許可を受けた開発区域内の土地であっても、当該許可に係る開発行為に同意していない土地の所有者は、その権利の行使として建築物を建築することができる。
  2. 開発行為をしようとする者は、当該開発行為に係る開発許可の取得後から当該開発行為の完了までに、当該開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議し、その同意を得なければならない。
  3. 都市計画法に違反した者だけでなく、違反の事実を知って、違反に係る建築物を購入した者も、都市計画法の規定により、都道府県知事から建築物の除却等の命令を受ける対象となる。
  4. 地方公共団体は、一定の基準に従い、条例で、開発区域内において予定される建築物の敷地面積の最低限度に関する制限を定めることが可能であり、このような条例が定められている場合は、制限の内容を満たさない開発行為は許可を受けることができない。

正解 2

問題難易度
肢111.7%
肢265.0%
肢37.5%
肢415.8%

解説

  1. 正しい。開発許可を受けた開発区域内の土地においては、工事完了の公告があるまでの間は、以下の3つの例外を除いて建築物を建築することができません。
    • 工事用の仮設建築物または特定工作物を建築・建設するとき
    • 都道府県知事が支障がないと認めたとき
    • 開発行為に同意していない者が、権利の行使として所有する土地に建築等をするとき
    開発行為に同意していない土地の所有者がその権利の行使として行う建築物の建築は、例外の一つとして認められています(都市計画法37条2号)。
    第三十三条第一項第十四号に規定する同意をしていない者が、その権利の行使として建築物を建築し、又は特定工作物を建設するとき。
  2. [誤り]。開発許可を申請しようとする者は、開発区域となる区域内の公共施設の管理者等との間で、あらかじめ以下の手続きを行って関係を調整しなければなりません。
    既に公共施設が存在する場合
    公共施設の管理者と協議し、その同意を得る
    開発工事で公共施設が設置される場合
    公共施設を監視することとなる者と協議する
    公共施設の管理者との協議等は、開発許可の申請前に行わなくてはなりません。したがって「開発許可の取得後から当該開発行為の完了までに」とする本肢は誤りです(都市計画法32条1項)。
    開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議し、その同意を得なければならない。
  3. 正しい。都市計画法に違反した者のみならず、その事実を知ったうえで購入した者も、建築物の除却等の命令を受ける対象となります(都市計画法81条1項1号)。
    この法律若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくはこれらの規定に基づく処分に違反した者又は当該違反の事実を知つて、当該違反に係る土地若しくは工作物等を譲り受け、若しくは賃貸借その他により当該違反に係る土地若しくは工作物等を使用する権利を取得した者
  4. 正しい。地方公共団体は、条例によって、開発区域内において予定される建築物の敷地面積の最低限度に関する制限を定めることができます。当該地域内ではその効力を有するため、制限の内容を満たさない開発行為は許可を受けることができません(都市計画法33条4項)。
    地方公共団体は、良好な住居等の環境の形成又は保持のため必要と認める場合においては、政令で定める基準に従い、条例で、区域、目的又は予定される建築物の用途を限り、開発区域内において予定される建築物の敷地面積の最低限度に関する制限を定めることができる。
したがって誤っている記述は[2]です。