借地借家法 (全38問中19問目)

No.19

現行の借地借家法の施行後に設定された借地権に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
出典:平成21年試験 問11
  1. 借地権の当初の存続期間中に借地上の建物の滅失があった場合で、借地権者が借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、借地権設定者は地上権の消滅の請求又は土地の賃貸借契約の解約の申入れをすることができる。
  2. 借地権の当初の存続期間が満了する場合において、借地権者が借地契約の更新を請求したときに、建物があるときは、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときでも、その異議の理由にかかわりなく、従前の借地契約と同一の条件で借地契約を更新したものとみなされる。
  3. 借地権の当初の存続期間中に借地上の建物の滅失があった場合、借地権者は地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。
  4. 借地権の当初の存続期間が満了し借地契約を更新する場合において、当事者間でその期間を更新の日から10年と定めたときは、その定めは効力を生じず、更新後の存続期間は更新の日から20年となる。

正解 4

解説

  1. 誤り。借地権者が借地権設定者の承諾を得ずに残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときでも、借地権は当初の期間までは存続します。未承諾による築造を理由として地上権の消滅の請求又は土地の賃貸借契約の解約の申入れが許されるのは、契約の更新に建物の滅失があった場合に限られるので、本肢のケースでは解約等を申し出ることはできません(借地借家法8条2項)。
    なお、借地権設定者の承諾があるときには、承諾があった日または築造された日のいずれか早い日から最低20年間は借地権が存続します(借地借家法7条1項)。
    前項に規定する場合において、借地権者が借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、借地権設定者は、地上権の消滅の請求又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。
    借地権の存続期間が満了する前に建物の滅失(借地権者又は転借地権者による取壊しを含む。以下同じ。)があった場合において、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、その建物を築造するにつき借地権設定者の承諾がある場合に限り、借地権は、承諾があった日又は建物が築造された日のいずれか早い日から二十年間存続する。ただし、残存期間がこれより長いとき、又は当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間による。
  2. 誤り。借地権の期間が満了する場合、借地権者が更新の請求したときは、従前と同一の条件で更新したものとみなされます。ただし、借地権設定者が遅延なく異議を述べ、正当事由と認められた場合には更新請求を拒むことができます(借地借家法6条)。
    本肢は「異議の理由にかかわりなく」としているため誤りです。
    前条の異議は、借地権設定者及び借地権者(転借地権者を含む。以下この条において同じ。)が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過及び土地の利用状況並びに借地権設定者が土地の明渡しの条件として又は土地の明渡しと引換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、述べることができない。
  3. 誤り。肢1は借地権設定者側からの請求でしたが、本肢は借地権者側からの請求についての記述です。
    借地権の当初の存続期間中に借地上の建物の滅失があった場合でも、借地権者は、地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることはできません。ただし、契約更新に滅失はあった場合は請求可能です(借地借家法8条1項)。
    契約の更新の後に建物の滅失があった場合においては、借地権者は、地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。
  4. [正しい]。普通借地権の更新は、1回目は20年以上、2回目以降は10年以上とされています。この期間を短縮することはできないため、1回目の更新で10年と定めた場合、その定めは無効となり期間20年となります(借地借家法4条)。
    当事者が借地契約を更新する場合においては、その期間は、更新の日から十年(借地権の設定後の最初の更新にあっては、二十年)とする。ただし、当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。