借地借家法 (全38問中1問目)

No.1

AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結する場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。
出典:平成30年試験 問11
  1. 本件契約が専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする場合には、公正証書によらなければ無効となる。
  2. 本件契約が居住用の建物の所有を目的とする場合には、借地権の存続期間を20年とし、かつ、契約の更新請求をしない旨を定めても、これらの規定は無効となる。
  3. 本件契約において借地権の存続期間を60年と定めても、公正証書によらなければ、その期間は30年となる。
  4. Bは、甲土地につき借地権登記を備えなくても、Bと同姓でかつ同居している未成年の長男名義で保存登記をした建物を甲土地上に所有していれば、甲土地の所有者が替わっても、甲土地の新所有者に対し借地権を対抗することができる。

正解 2

解説

  1. 誤り。事業用定期借地権の場合には公正証書による契約が必要ですが、本肢にそのような条件はありません。普通借地権の場合には契約方法に指定はありませんので、本件契約は有効な契約になります。
  2. [正しい]。「地権の存続期間を20年とし、かつ、契約の更新請求をしない旨」ですから定期借地権の設定になります。それぞれの定期借地権の存続期間は下表のように定められており、「居住用で20年」という条件を満たす定期借地契約は存在しません。
    よって、本特約は無効になります。
  3. 誤り。借地権の存続期間は30年以上となっています。30年より長い期間を定めたとしても公正証書による必要はありません(借地借家法3条)。
    借地権の存続期間は、三十年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。
  4. 誤り。借地権の登記がなくても、借地権者本人の名義で建物の所有登記がなされていれば、土地の新所有者などの第三者に対して借地権を対抗できます(借地借家法10条1項)。
    本肢の場合、建物の名義が借地権者本人ではなく長男になっているため、新所有者に対し借地権を対抗することができません。
    借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。
したがって正しい記述は[2]です。