不動産登記法(全26問中8問目)

No.8

不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
平成30年試験 問14
  1. 登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。
  2. 表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる。
  3. 所有権の登記名義人は、建物の床面積に変更があったときは、当該変更のあった日から1月以内に、変更の登記を申請しなければならない。
  4. 所有権の登記名義人は、その住所について変更があったときは、当該変更のあった日から1月以内に、変更の登記を申請しなければならない。

正解 4

問題難易度
肢115.8%
肢29.3%
肢314.3%
肢460.6%

解説

  1. 正しい。登記事務は申請主義を採用しており、法令に別段の定めがある場合を除いて、①当事者の申請、または②官公署の嘱託がなければしないのが原則です(不動産登記法16条1項)。
    ※官庁…国の機関、公署…地方公共団体の機関、嘱託…公務員が他の官公署に事務を委託することです。
    登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。
  2. 正しい。登記は申請等がなければできないのが原則ですが、不動産の現在の客観的状況を公示することは、台帳としての機能を提供する不動産登記制度の根幹ですから、表示に関する登記について登記事実が既に発生しているときは、申請等によらずとも登記官が職権ですることができます(不動産登記法28条)。
    表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる。
  3. 正しい。表題部の所定の登記事項(不動産の物理的・客観的状況を示す情報)に変更があった場合、登記簿上の所有者は、変更があった日から1月以内に変更の登記を申請しなければなりません(不動産登記法51条1項)。床面積は、建物の表題部の登記事項のひとつとなっていますから、登記名義人は、1月以内に変更の登記を申請する必要があります。
    第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、当該変更があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
  4. [誤り]。登記名義人の住所に変更があった場合は、権利部の登記事項である住所を変更する登記を申請することができます。権利に関する登記の原則どおり、住所の変更登記をするかどうかも任意なので、しなければならないという説明は誤りです(不動産登記法64条1項)。
    登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。
    登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。H17-16-3
したがって誤っている記述は[4]です。