不動産登記法(全26問中12問目)

No.12

不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
平成26年試験 問14
  1. 表示に関する登記を申請する場合には、申請人は、その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。
  2. 新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、表題登記を申請しなければならない。
  3. 信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければならない。
  4. 仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるときは、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。

正解 1

問題難易度
肢149.1%
肢218.2%
肢324.0%
肢48.7%

解説

  1. [誤り]。登記原因を証する情報(売買契約書や遺産分割協議書など)を提供する必要があるのは、権利に関する登記を申請するときです。表示に関する登記を申請する場合には、図面等の添付情報は必要となりますが、登記原因を証する情報は不要です(不動産登記法61条)。
    権利に関する登記を申請する場合には、申請人は、法令に別段の定めがある場合を除き、その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。
    所有権の移転の登記の申請をする場合には、申請人は、法令に別段の定めがある場合を除き、その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。R4-14-1
  2. 正しい。新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、表題登記を申請しなければなりません(不動産登記法36条)。土地は建物のように頻繁に発生するわけではありませんが、埋立てや干拓による新規取得や、国有地の払下げなどで表題登記のない土地の取得などをした場合には、表題登記を申請する義務があります。
    新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。
    表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、表題登記を申請しなければならない。R3⑫-14-1
  3. 正しい。信託は、自分の持っている財産を別の人に預けて(所有者を名義上移して)運用・管理・処分してもらう契約です。信託財産に不動産が含まれるときには、分別管理及び契約内容の記録のために、信託の登記を行わなければなりません(信託法34条1項)。
    信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければなりません(不動産登記法98条1項)。
    信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければならない。
    信託の登記の申請は、当該信託による権利の移転又は保存若しくは設定の登記の申請と同時にしなければならない。H18-15-2
  4. 正しい。仮登記は、予備的な登記ということで、共同申請の原則が一部緩和されており、①仮登記の登記義務者の承諾があるとき、②裁判所から仮登記を命ずる処分がでたときは、仮登記の登記権利者が単独で申請することができます(不動産登記法107条1項)。
    仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるとき及び次条に規定する仮登記を命ずる処分があるときは、第六十条の規定にかかわらず、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。
    仮登記の登記義務者の承諾がある場合であっても、仮登記権利者は単独で当該仮登記の申請をすることができない。H20-16-2
    仮登記の申請は、申請書に仮登記義務者が作成した承諾を証する情報を添付して、仮登記権利者が単独ですることができる。H16-15-1
    仮登記の申請は、申請書に仮処分命令の正本を添付して、仮登記権利者が単独ですることができる。H16-15-2
したがって誤っている記述は[1]です。