不動産登記法(全26問中10問目)

No.10

不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。
平成28年試験 問14
  1. 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、所有権の保存の登記を申請しなければならない。
  2. 登記することができる権利には、抵当権及び賃借権が含まれる。
  3. 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。
  4. 区分建物の所有権の保存の登記は、表題部所有者から所有権を取得した者も、申請することができる。

正解 1

問題難易度
肢154.1%
肢27.0%
肢316.1%
肢422.8%

解説

  1. [誤り]。新築建物や表題登記がない建物の所有権を取得した者に義務付けられているのは、その取得の日から1月以内に表題登記を申請することです(不動産登記法47条1項)。権利の登記である所有権保存登記は任意なので、しなければならないという説明は誤りです。
    新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。
    表題登記がない建物(区分建物を除く。)の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、表題登記を申請しなければならない。H21-14-3
    表示の登記がされていない区分建物を建築者から取得した者は、当該区分建物の表題登記を申請する義務はない。H13-14-1
  2. 正しい。不動産について登記できる権利は、所有権、地上権、永小作権、地役権、先取特権、質権、抵当権賃借権、配偶者居住権、採石権の10つです(不動産登記法3条)。抵当権と賃借権はどちらも登記をすることができます。
  3. 正しい。所有する建物が取壊し、倒壊、焼失などにより滅失した場合、登記簿上の所有者は、その滅失の日から1月以内に、当該建物について滅失の登記を申請しなければなりません(不動産登記法57条)。土地が滅失した場合も同様です。
    建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。
    建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1か月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。R5-14-1
    建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。H21-14-4
  4. 正しい。本来は所有権保存登記のない建物の取得があった場合、表題部所有者に所有権保存登記をしてもらった後、買主等と共同で所有権の移転登記をする手順となります。しかし、原始取得者以外に取得されることを前提とする区分建物では、登記手続きを1回で済ませるために、表題部所有者から所有権を取得した者が直接所有権保存登記を申請することができます(不動産登記法74条2項)。
    区分建物にあっては、表題部所有者から所有権を取得した者も、前項の登記を申請することができる。この場合において、当該建物が敷地権付き区分建物であるときは、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければならない。
    区分建物の所有権の保存の登記は、表題部所有者から所有権を取得した者も、申請することができる。R5-14-4
    敷地権付き区分建物の表題部所有者から所有権を取得した者は、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければ、当該区分建物に係る所有権の保存の登記を申請することができない。R2⑩-14-1
    敷地権付き区分建物の表題部所有者から所有権を取得した者は、当該敷地権の登記名義人の承諾を得ることなく、当該区分建物に係る所有権の保存の登記を申請することができる。H25-14-3
    1棟の建物を区分した建物の登記簿の表題部に記載された所有者から所有権を取得したことを証明できる者は、直接自己名義に当該建物の所有権保存の登記を申請することができる。H12-14-4
したがって誤っている記述は[1]です。