借地借家法(建物)(全26問中15問目)

No.15

Aが所有する甲建物をBに対して賃貸する場合の賃貸借契約の条項に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、誤っているものはどれか。
平成23年試験 問12
  1. AB間の賃貸借契約が借地借家法第38条に規定する定期建物賃貸借契約であるか否かにかかわらず、Bの造作買取請求権をあらかじめ放棄する旨の特約は有効に定めることができる。
  2. AB間で公正証書等の書面によって借地借家法第38条に規定する定期建物賃貸借契約を契約期間を2年として締結する場合、契約の更新がなく期間満了により終了することを書面を交付してあらかじめBに説明すれば、期間満了前にAがBに改めて通知しなくても契約が終了する旨の特約を有効に定めることができる。
  3. 法令によって甲建物を2年後には取り壊すことが明らかである場合、取り壊し事由を記載した書面によって契約を締結するのであれば、建物を取り壊すこととなる2年後には更新なく賃貸借契約が終了する旨の特約を有効に定めることができる。
  4. AB間の賃貸借契約が一時使用目的の賃貸借契約であって、賃貸借契約の期間を定めた場合には、Bが賃貸借契約を期間内に解約することができる旨の特約を定めていなければ、Bは賃貸借契約を中途解約することはできない。

正解 2

問題難易度
肢19.6%
肢267.0%
肢37.9%
肢415.5%

解説

  1. 正しい。造作買取請求権の定めは任意規定なので、普通借家契約・定期借家契約のどちらにおいても放棄させる特約は有効です(借地借家法37条)。
    第三十一条、第三十四条及び第三十五条の規定に反する特約で建物の賃借人又は転借人に不利なものは、無効とする。
  2. [誤り]。期間満了前の通知を省略する特約は、賃借人に不利なので無効となります。
    期間が1年以上である定期建物賃貸借では、建物の賃貸人は、期間満了の1年前から6月前までの間に、賃借人に対し期間の満了により賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができません(借地借家法38条6項)。これは賃借人が不意打ちで立退きを要求されることを防ぎ、次の物件を探すための時間を確保するための規制なので、特約で排除することはできません(借地借家法38条8項)。
    第一項の規定による建物の賃貸借において、期間が一年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の一年前から六月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、この限りでない。
    前二項の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。
  3. 正しい。法令などにより一定期間経過後に取り壊すべきことが明らかな建物の賃貸借をするときは、建物を取り壊すこととなる時に賃貸借が終了する特約を定めることができます。この特約は、建物を取り壊すべき事由を記載した書面(又は書面に記載すべき内容を記録した電磁的記録)による必要があります(借地借家法39条)。
    法令又は契約により一定の期間を経過した後に建物を取り壊すべきことが明らかな場合において、建物の賃貸借をするときは、第三十条の規定にかかわらず、建物を取り壊すこととなる時に賃貸借が終了する旨を定めることができる。
    2 前項の特約は、同項の建物を取り壊すべき事由を記載した書面によってしなければならない。
  4. 正しい。一時使用を目的とする土地・建物の賃貸借は借地借家法の適用外なので、民法の規定で判断します(借地借家法40条)。民法上、賃貸借契約を中途解約するためにはそれを可能とする旨の特約が必要なので、特約がなければ、Bは賃貸借契約を中途解約することはできません(民法618条)。
    この章の規定は、一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかな場合には、適用しない。
    当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても、その一方又は双方がその期間内に解約をする権利を留保したときは、前条の規定を準用する。
したがって誤っている記述は[2]です。