民法の規定及び判例(財産法) (全183問中85問目)

No.85

民法第379条は、「抵当不動産の第三取得者は、第383条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。」と定めている。これに関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
出典:平成21年試験 問6
  1. 抵当権の被担保債権につき保証人となっている者は、抵当不動産を買い受けて第三取得者になれば、抵当権消滅請求をすることができる。
  2. 抵当不動産の第三取得者は、当該抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生した後でも、売却の許可の決定が確定するまでは、抵当権消滅請求をすることができる。
  3. 抵当不動産の第三取得者が抵当権消滅請求をするときは、登記をした各債権者に民法第383条所定の書面を送付すれば足り、その送付書面につき事前に裁判所の許可を受ける必要はない。
  4. 抵当不動産の第三取得者から抵当権消滅請求にかかる民法第383条所定の書面の送付を受けた抵当権者が、同書面の送付を受けた後2か月以内に、承諾できない旨を確定日付のある書面にて第三取得者に通知すれば、同請求に基づく抵当権消滅の効果は生じない。

正解 3

解説

  1. 誤り。主たる債権者・保証人および承継人は、抵当権の消滅請求をすることはできません(民法380条)。
    主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない。
  2. 誤り。抵当権の消滅請求は、差押えが行われる前に行う必要があります(民法382条)。
    抵当不動産の第三取得者は、抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生する前に、抵当権消滅請求をしなければならない
  3. [正しい]。抵当不動産の第三取得者が抵当権の消滅請求をするときは、登記をした各債権者に民法第383条所定の書面を送付する必要があります(民法383条)。裁判所の許可は不要です。
    抵当不動産の第三取得者は、抵当権消滅請求をするときは、登記をした各債権者に対し、次に掲げる書面を送付しなければならない。
  4. 誤り。抵当権消滅請求の書面の送付を受けた債権者が、それを承諾しない場合には、書面を受け取ってから2月以内に抵当権を実行し、競売の申立てを行う必要があります。「承諾できない旨を確定日付のある書面にて第三者に通知」しただけでは、書面通知から2月経過時点で抵当権消滅請求の効果を失わせることはできません(民法384条1号)。
    次に掲げる場合には、前条各号に掲げる書面の送付を受けた債権者は、抵当不動産の第三取得者が同条第三号に掲げる書面に記載したところにより提供した同号の代価又は金額を承諾したものとみなす。
    一 その債権者が前条各号に掲げる書面の送付を受けた後二箇月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないとき。
したがって正しい記述は[3]です。