民法の規定及び判例(財産法) (全183問中81問目)

No.81

AがA所有の土地の売却に関する代理権をBに与えた場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
出典:平成21年試験 問2
  1. Bが自らを「売主Aの代理人B」ではなく、「売主B」と表示して、買主Cとの間で売買契約を締結した場合には、Bは売主Aの代理人として契約しているとCが知っていても、売買契約はBC間に成立する。
  2. Bが自らを「売主Aの代理人B」と表示して買主Dとの間で締結した売買契約について、Bが未成年であったとしても、AはBが未成年であることを理由に取り消すことはできない。
  3. Bは、自らが選任及び監督するのであれば、Aの意向にかかわらず、いつでもEを復代理人として選任して売買契約を締結させることができる。
  4. Bは、Aに損失が発生しないのであれば、Aの意向にかかわらず、買主Fの代理人にもなって、売買契約を締結することができる。

正解 2

解説

  1. 誤り。代理行為が成立するためには、代理人が本人のためにすることを示す必要があります。代理人が本人のためにすることを示さないで意思表示をした場合は、代理人自身のためにしたものとなります。ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、この限りではありません(民法100条)。
    したがって、買主Cが、Bが売主Aの代理人と知っていた場合には有効な代理行為となり、売買契約はAC間で成立します。
    代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなす。ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、前条第一項の規定を準用する。
  2. [正しい]。未成年者などの制限行為能力者であっても、代理人になることは可能です(民法102条)。よって、Bが未成年であること理由に取り消すことはできません。
    代理人は、行為能力者であることを要しない。
  3. 誤り。任意代理人の場合、復代理人を選任できるのは、本人の許諾があるとき、またはやむを得ない事由があるときに限定されています(民法104条)。
    本肢は「Aの意向にかかわらず」としているため誤りです。
    委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。
  4. 誤り。本人の許諾がある場合と債務の履行をする場合を除き、損失の発生に関係なく、原則として双方代理はできません(民法108条)。
    本肢は「Aの意向にかかわらず」としているため誤りです。
    同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。
したがって正しい記述は[2]です。