民法の規定及び判例(財産法) (全183問中71問目)

No.71

制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
出典:平成22年試験 問1
  1. 土地を売却すると、土地の管理義務を免れることになるので、婚姻していない未成年者が土地を売却するに当たっては、その法定代理人の同意は必要ない。
  2. 成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却するためには家庭裁判所の許可が必要である。
  3. 被保佐人については、不動産を売却する場合だけではなく、日用品を購入する場合も、保佐人の同意が必要である。
  4. 被補助人が法律行為を行うためには、常に補助人の同意が必要である。

正解 2

解説

  1. 誤り。婚姻していない未成年者は行為能力を有していません(民法5条1項)。よって、法律行為である土地の売却には法定代理人の同意が必要です。
    なお、未成年者であっても婚姻していた場合には成年が行った法律行為とみなされるので法定代理人の同意は不要です(民法753条)。
    未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
    未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。
  2. [正しい]。成年後見人が、成年被後見人が居住している建物を売却するためには家庭裁判所の許可が必要です(民法859条の3)。
    成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。
  3. 誤り。被保佐人は、民法13条の列挙事項の行為を行う場合に限り保佐人の同意が必要です(民法13条1項)。また、日用品の購入その他日常生活に関する行為については同意不要です(民法9条)。
    よって、日用品を購入する行為には保佐人の同意が不要です。
    被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
    一 元本を領収し、又は利用すること。
    二 借財又は保証をすること。
    三 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
    四 訴訟行為をすること。
    五 贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
    六 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
    七 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
    八 新築、改築、増築又は大修繕をすること。
    九 第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。
    成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。
  4. 誤り。被補助人は、民法13条の列挙事項の行為のうち、家庭裁判所が審判で指定した行為に限り補助人の同意が必要です(民法17条1項)。
    よって、被補助人の行う法律行為すべてに補助人の同意が求められるわけではありません。
    家庭裁判所は、第十五条第一項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、その審判によりその同意を得なければならないものとすることができる行為は、第十三条第一項に規定する行為の一部に限る。
したがって正しい記述は[2]です。