民法の規定及び判例(財産法) (全183問中64問目)

No.64

根抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
出典:平成23年試験 問4
  1. 根抵当権者は、総額が極度額の範囲内であっても、被担保債権の範囲に属する利息の請求権については、その満期となった最後の2年分についてのみ、その根抵当権を行使することができる。
  2. 元本の確定前に根抵当権者から被担保債権の範囲に属する債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することはできない。
  3. 根抵当権設定者は、担保すべき元本の確定すべき期日の定めがないときは、一定期間が経過した後であっても、担保すべき元本の確定を請求することはできない。
  4. 根抵当権設定者は、元本の確定後であっても、その根抵当権の極度額を、減額することを請求することはできない。

正解 2

解説

  1. 誤り。極度額の範囲ならば、最後の2年分に限らず元本・利息等の全部につき、その根抵当権を行使できます(民法398条の3第1項)。これに対し、普通抵当権では最後の2年分を超える利息を請求することはできません。
    根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる。
  2. [正しい]。根抵当権では、個々の債権との間には随伴性がありません。
    よって、根抵当権者から被担保債権の範囲に属する債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することはできません。
  3. 誤り。根抵当権設定者は、担保すべき元本の確定すべき期日の定めがない場合であっても、根抵当権設定時から3年経過後は、担保すべき元本の確定を請求することができます(民法398条の19第1項)。
    根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から三年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時から二週間を経過することによって確定する。
  4. 誤り。元本の確定後であっても、根抵当権設定者が極度額の減額を請求することは可能です(民法398条の21)。ただし、現に存在する債務の額に2年分の利息を加えた額までにしか減額はできません。
    元本の確定後においては、根抵当権設定者は、その根抵当権の極度額を、現に存する債務の額と以後二年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額することを請求することができる。
したがって正しい記述は[2]です。