民法の規定及び判例(財産法) (全183問中56問目)

No.56

次の1から4までの記述のうち、民法の規定及び下記判決文によれば、明らかに誤っているものはどれか。
(判決文)
請負人が建築した建物に重大な瑕疵があって建て替えるほかはない場合に、当該建物を収去することは社会経済的に大きな損失をもたらすものではなく、また、そのような建物を建て替えてこれに要する費用を請負人に負担させることは、契約の履行責任に応じた損害賠償責任を負担させるものであって、請負人にとって過酷であるともいえないのであるから、建て替えに要する費用相当額の損害賠償請求をすることを認めても、民法第635条ただし書の規定の趣旨に反するものとはいえない。
出典:平成24年試験 問5
  1. 請負の目的物である建物の瑕疵が重要でない場合であって、その修補に過分の費用を要するときは、注文者は瑕疵の修補を請求することはできない。
  2. 請負の目的物である建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合には、注文者は、請負人に対し、建物の建て替えに要する費用相当額の損害賠償請求をすることができる。
  3. 請負の目的物が建物であって、民法第635条ただし書によって注文者が請負契約の解除をすることができない場合には、その規定の趣旨に照らし、注文者は建て替えに要する費用相当額の損害賠償請求をすることは認められない。
  4. 請負の目的物である建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合であっても、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求は、請負人が当該建物を引き渡した時から1年以内にしなければならない。

正解 3 または 4
※作問ミスにより正答2つ

解説

**本問は、出題ミスにより「明らかに誤っているもの」が3と4の2肢あります。**
  1. 正しい。明らかに誤っているとは言えません。本肢の場合、瑕疵補修請求ではなく、損害賠償請求を行うこととなります。
  2. 正しい。明らかに誤っているとは言えません。判決文にも記載されていますが、請負の目的物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合には、建物の建て替えに要する費用相当額の損害賠償請求をすることができます。
  3. [誤り]。明らかに誤っています。本判決文では、請負の目的物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合には、建物の建て替えに要する費用相当額の損害賠償請求を認めるものです。よって、建て替えに要する費用相当額の損害賠償請求を否定する本肢は明らかに誤っています。
  4. [誤り]。明らかに誤っています。建物請負人の担保責任期間は建物の引渡しから5年間ですが、コンクリート造等の建築物については10年とされています。
したがって誤っている記述は[3]及び[4]です。