制限行為能力者 (全6問中5問目)

No.5

自己所有の土地を売却するAの売買契約の相手方に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
平成17年試験 問1
  1. 買主Bが被保佐人であり、保佐人の同意を得ずにAとの間で売買契約を締結した場合、当該売買契約は当初から無効である。
  2. 買主Cが意思無能力者であった場合、Cは、Aとの間で締結した売買契約を取り消せば、当該契約を無効にできる。
  3. 買主である団体Dが法律の規定に基づかずに成立した権利能力を有しない任意の団体であった場合、DがAとの間で売買契約を締結しても、当該土地の所有権はDに帰属しない。
  4. 買主Eが婚姻している未成年者であり、当該婚姻がEの父母の一方の同意を得られないままになされたものである場合には、Eは未成年者であることを理由に当該売買契約を取り消すことができる。

正解 3

問題難易度
肢120.9%
肢218.6%
肢355.5%
肢45.0%

解説

  1. 誤り。被保佐人が保佐人を同意を得ずに行った、不動産等の重要財産の権利の得失については、保佐人は後から取り消すことができます(民法13条1項3号)。取消しにより当初から無効だったと見なされるのであり、契約した段階で無効となるわけではありません。
    被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。

    三 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
  2. 誤り。意思無能力者が行った意思表示は当然に無効となります(民法3条の2)。取消しがなくても無効なので本肢は誤りです。
    法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。
  3. [正しい]。法律によって作られた法人は権利能力を有しますが、法律の規定に基づかずに成立した権利能力を有しない任意団体には権利能力がなく法律行為をすることができません。もし任意団体で売買契約を結びたいのであれば代表者等の個人名義でする必要があります。よって、売買契約の効果は一切生じないこととなります。
  4. 誤り。婚姻は原則として父母両方の同意が必要ですが、一方からの同意を得られないときは父母の一方のみの同意で足ります(民法737条)。よって、買主Eの婚姻は成立しています。未成年であっても婚姻した者は成年とみなされるので、買主Eは未成年者であることを理由に売買契約を取り消すことはできません(民法753条)。
    未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。
    2 父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足りる。父母の一方が知れないとき、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときも、同様とする。
    未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。
したがって正しい記述は[3]です。