民法の規定及び判例(財産法) (全183問中42問目)

No.42

賃貸人Aから賃借人Bが借りたA所有の甲土地の上に、Bが乙建物を所有する場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、Bは、自己名義で乙建物の保存登記をしているものとする。
出典:平成26年試験 問7
  1. BがAに無断で乙建物をCに月額10万円の賃料で貸した場合、Aは、借地の無断転貸を理由に、甲土地の賃貸借契約を解除することができる。
  2. Cが甲土地を不法占拠してBの土地利用を妨害している場合、Bは、Aの有する甲土地の所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使してCの妨害の排除を求めることができるほか、自己の有する甲土地の賃借権に基づいてCの妨害の排除を求めることができる。
  3. BがAの承諾を得て甲土地を月額15万円の賃料でCに転貸した場合、AB間の賃貸借契約がBの債務不履行で解除されても、AはCに解除を対抗することができない。
  4. AB間で賃料の支払時期について特約がない場合、Bは、当月末日までに、翌月分の賃料を支払わなければならない。

正解 2

解説

  1. 誤り。借地上の建物の賃貸借は、土地所有者の承諾がなくても土地の転貸にあたりません(大判昭8.12.11)。
    賃借人が賃借地上に築造した建物を第三者に賃貸しても、土地賃借人は建物所有のため自ら土地を使用しているものであるから、賃借地を第三者に転貸したとはいえない
  2. [正しい]。借地権者であるBは、Cに対して、土地所有者Aの妨害排除請求権を行使できます(大判昭4.12.16)。
    賃借権が第三者によって妨害されている場合、賃借人は、賃貸人の有する所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使できる。
  3. 誤り。賃貸人・賃借人間の賃貸借契約が賃借人の債務不履行で解除された場合には、賃貸人は第三者に解除を対抗することができます(最判平9.2.25)。
    賃貸借が賃借人の債務不履行を理由とする解除により終了した場合、賃.貸人の承諾のある転貸借は、原則として、賃貸人が転借人に対して目的物の返還を請求した時に、転貸人の転借人に対する債務の履行不能により終了する。
  4. 誤り。当月末日までに翌月分とする記述は誤りです。正しくは、当月末日までに当月分となります(民法614条)。
    賃料は、動産、建物及び宅地については毎月末に、その他の土地については毎年末に、支払わなければならない。ただし、収穫の季節があるものについては、その季節の後に遅滞なく支払わなければならない。
したがって正しい記述は[2]です。