民法の規定及び判例(財産法) (全183問中4問目)

No.4

時効の援用に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
出典:平成30年試験 問4
  1. 消滅時効完成後に主たる債務者が時効の利益を放棄した場合であっても、保証人は時効を援用することができる。
  2. 後順位抵当権者は、先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができる。
  3. 詐害行為の受益者は、債権者から詐害行為取消権を行使されている場合、当該債権者の有する被保全債権について、消滅時効を援用することができる。
  4. 債権者が時効の完成の事実を知らずに債務の承認をした場合、その後、債務者はその完成した消滅時効を援用することはできない。

正解 2

解説

  1. 正しい。主たる債務者が時効の利益を放棄した場合であっても、保証人は時効を援用することができます(大判昭8.10.13)。
  2. [誤り]。時効の援用をすることができる者は、当事者及び時効完成により直接利益を受ける者に限定されています。
    後順位抵当権者は、この時効完成により直接利益を受ける者に該当しないため、消滅時効を援用することができません(最判平11.10.21)。
    後順位抵当権者は、先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができない。
  3. 正しい。時効の援用をすることができる者は、当事者及び時効完成により直接利益を受ける者に限定されています。
    詐害行為の受益者は、この時効完成により直接利益を受ける者に該当するため、消滅時効を援用することができます(最判平10.6.22)。
    詐害行為の受益者は、詐害行為取消権を行使する債権者の債権の消滅時効を援用することができる。
  4. 正しい。時効完成事実の善意・悪意に関係なく、債務者が時効の完成後に債務の承認をした場合、当該債務者は消滅時効を援用することはできません(最判昭41.4.20)。
    債務者が、消滅時効完成後に債権者に対し当該債務の承認をした場合には、時効完成の事実を知らなかつたときでも、その後その時効の援用をすることは許されないと解すべきである。
したがって誤っている記述は[2]です。