民法の規定及び判例(財産法) (全183問中38問目)

No.38

権利の取得や消滅に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
出典:平成26年試験 問3
  1. 売買契約に基づいて土地の引渡しを受け、平穏に、かつ、公然と当該土地の占有を始めた買主は、当該土地が売主の所有物でなくても、売主が無権利者であることにつき善意で無過失であれば、即時に当該不動産の所有権を取得する。
  2. 所有権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは消滅し、その目的物は国庫に帰属する。
  3. 買主の売主に対する瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用があり、この消滅時効は、買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から進行する。
  4. 20年間、平穏に、かつ、公然と他人が所有する土地を占有した者は、占有取得の原因たる事実のいかんにかかわらず、当該土地の所有権を取得する。

正解 3

解説

  1. 誤り。動産であれば即時取得(民法192条)になりますが、本肢の取引対象は不動産ですので占有開始時に善意無過失であれば10年間の占有で時効取得となります(民法162条2項)。
    取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。
    十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。
  2. 誤り。所有権が消滅時効にかかることはありません(民法167条)。
    債権は、十年間行使しないときは、消滅する。
    2 債権又は所有権以外の財産権は、二十年間行使しないときは、消滅する。
  3. [正しい]。判例(最判平13.11.27)によると、買主の売主に対する瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用があり、この消滅時効は、買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から進行します。
  4. 誤り。所有の意思をもって占有しなければ当該土地の所有権を取得できません(民法162条1項)。例えば、賃貸借の場合などは所有の意思がないため時効取得できません。
    二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
したがって正しい記述は[3]です。