民法の規定及び判例(財産法) (全183問中37問目)

No.37

代理に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはいくつあるか。
  1. 代理権を有しない者がした契約を本人が追認する場合、その契約の効力は、別段の意思表示がない限り、追認をした時から将来に向かって生ずる。
  2. 不動産を担保に金員を借り入れる代理権を与えられた代理人が、本人の名において当該不動産を売却した場合、相手方において本人自身の行為であると信じたことについて正当な理由があるときは、表見代理の規定を類推適用することができる。
  3. 代理人は、行為能力者であることを要しないが、代理人が後見開始の審判を受けたときは、代理権が消滅する。
  4. 代理人の意思表示の効力が意思の不存在、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、本人の選択に従い、本人又は代理人のいずれかについて決する。
出典:平成26年試験 問2
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

正解 2

解説

  1. 誤り。追認の効力は、「追認をした時から将来に向かって」ではなく、契約時にさかのぼって生じます(民法116条)。
    追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
  2. 正しい。本肢では、民法110条が類推適用されます。代理人が、代理人であることを名乗っていないため直接適用はできません。
    前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。
  3. 正しい。本人または代理人が死亡、代理人が破産、代理人が後見開始の審判のいずれかに該当することとなった場合、代理契約は消滅します(民法111条
    代理権は、次に掲げる事由によって消滅する。
    一 本人の死亡
    二 代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと。
  4. 本人の選択に従い、本人又は代理人のいずれかについて決するではなく、代理人を基準に決まります(民法101条1項)。
    意思表示の効力が意思の不存在、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。