民法の規定及び判例(財産法) (全183問中34問目)

No.34

同時履行の抗弁権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはいくつあるか。
  1. マンションの賃貸借契約終了に伴う賃貸人の敷金返還債務と、賃借人の明渡債務は、特別の約定のない限り、同時履行の関係に立つ。
  2. マンションの売買契約がマンション引渡し後に債務不履行を理由に解除された場合、契約は遡及的に消滅するため、売主の代金返還債務と、買主の目的物返還債務は、同時履行の関係に立たない。
  3. マンションの売買契約に基づく買主の売買代金支払債務と、売主の所有権移転登記に協力する債務は、特別の事情のない限り、同時履行の関係に立つ。
出典:平成27年試験 問8
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. なし

正解 1

解説

  1. 誤り。判例で以下のように示されています。
    最判昭和49.9.2
    家屋の賃貸借終了に伴う賃借人の家屋明渡債務と賃貸人の敷金返還債務とは、特別の約定のないかぎり、同時履行の関係に立たない。
    したがって、賃貸人の敷金返還債務と賃借人の明渡債務は、同時履行の関係に立ちません。
  2. 誤り。解除権の行使により契約が解除された場合、代金返還義務と原状回復義務は同時履行の関係に立ちます(民法545条1項民法546条民法533条)。
    当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。
    第五百三十三条の規定は、前条の場合について準用する。
    双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
  3. 正しい。売買契約に基づく買主の売買代金支払債務と、売主の所有権移転登記に協力する債務は同時履行の関係に立ちます(民法533条)。
    双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
したがって正しい記述は「1つ」です。