民法の規定及び判例(財産法) (全183問中33問目)

No.33

債務者Aが所有する甲土地には、債務者Bが一番抵当権(債権額2,000万円)、債権者Cが二番抵当権(債権額2,400万円)、債権者Dが三番抵当権(債権額4,000万円)をそれぞれ有しており、Aにはその他に担保権を有しない債権者E(債権額2,000万円)がいる。甲土地の競売に基づく売却代金5,400万円を配当する場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
出典:平成27年試験 問7
  1. BがEの利益のため、抵当権を譲渡した場合、Bの受ける配当は0円である。
  2. BがDの利益のため、抵当権の順位を譲渡した場合、Bの受ける配当は800万円である。
  3. BがEの利益のため、抵当権を放棄した場合、Bの受ける配当は1,000万円である。
  4. BがDの利益のため、抵当権の順位を放棄した場合、Bの受ける配当は1,000万円である。

正解 2

解説

抵当権は、一般の私債権よりも債権順位が上になります。また抵当権者の中では順位が若い方が優先して弁済を受けられるので、本問のケースでは、譲渡も放棄もなければ原則として以下のように配当されます。
  • B … 2,000万円
  • C … 2,400万円
  • D … 1,000万円
  • E … 0円
  1. 正しい。BからEに抵当権が譲渡された場合、Eが第1順位の抵当権者になり、Bは一般の私債権者になります。結果としてBE間で順位が入れ替わります。
    • B … 0円
    • C … 2,400万円
    • D … 1,000万円
    • E … 2,000万円
    よって、Bの受け取る配当は0円です。
  2. [誤り]。BからDに抵当権の順位が譲渡された場合、BD間ではDが優先して配当を受けます。BとDの配当の合計は「2,000万円+1,000万円=3,000万円」ですから、Dにはこの3,000万円が優先して配当され、残った額がBに配当されます。Dの債権額は4,000万円ですから、Dに3,000万円が配当され、Bの受ける配当は0円になります。
    • B … 0円
    • C … 2,400万円
    • D … 3,000万円
    • E … 0円
  3. 正しい。BからEに抵当権の放棄が行われた場合、BEの配当の合計はBE間で債権額の割合に応じて配分されることになります。元々の配当は、B:2,000万円、E:0円で合わせて2,000万円、債権額は B:2,000万円、E:2,000万円ですから、BEの配当額の合計2,000万円は「B:E=1:1」で配分されることになります。
    • B … 1,000万円
    • C … 2,400万円
    • D … 3,000万円
    • E … 1,000万円
    よって、Bの受け取る配当は1,000万円になります。
  4. 正しい。BからDに抵当権の順位の放棄が行われた場合、BDの配当の合計はBD間で債権額の割合に応じて配分されることになります。元々の配当は、B:2,000万円、D:1,000万円で合わせて3,000万円、債権額は B:2,000万円、D:4,000万円ですから、BEの配当額の合計3,000万円は「B:D=1:2」で配分されることになります。
    • B … 1,000万円
    • C … 2,400万円
    • D … 2,000万円
    • E … 0円
    よって、Bの受け取る配当は1,000万円になります。
したがって誤っている記述は[2]です。