民法の規定及び判例(財産法) (全183問中23問目)

No.23

Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約(以下この問において「本件契約」という。)が締結された場合の売主の担保責任に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
出典:平成28年試験 問6
  1. Bが、甲土地がCの所有物であることを知りながら本件契約を締結した場合、Aが甲土地の所有権を取得してBに移転することができないときは、BはAに対して、損害賠償を請求することができない。
  2. Bが、甲土地がCの所有物であることを知りながら本件契約を締結した場合、Aが甲土地の所有権を取得してBに移転することができないときは、Bは、本件契約を解除することができる。
  3. Bが、A所有の甲土地が抵当権の目的となっていることを知りながら本件契約を締結した場合、当該抵当権の実行によってBが甲土地の所有権を失い損害を受けたとしても、BはAに対して、損害賠償を請求することができない。
  4. Bが、A所有の甲土地が抵当権の目的となっていることを知りながら本件契約を締結した場合、当該抵当権の実行によってBが甲土地の所有権を失ったときは、Bは、本件契約を解除することができる。

正解 3

解説

  1. 正しい。全部他人物売買において買主が悪意の場合には、契約の解除はできますが損害賠償の請求はできません(民法560条民法561条)。
    他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
    前条の場合において、売主がその売却した権利を取得して買主に移転することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の時においてその権利が売主に属しないことを知っていたときは、損害賠償の請求をすることができない。
  2. 正しい。全部他人物売買において買主が悪意の場合には、契約解除できます。
  3. [誤り]。抵当権の行使により買主がその所有権を失ったとき、善意・悪意に関係なく買主は売主に対し損害を賠償を請求することができます(民法567条3項)。
    3 前二項の場合において、買主は、損害を受けたときは、その賠償を請求することができる。
  4. 正しい。抵当権の行使により買主がその所有権を失ったとき、善意・悪意に関係なく買主は売主に対し契約解除を申し出ることができます(民法567条1項)。
    売買の目的である不動産について存した先取特権又は抵当権の行使により買主がその所有権を失ったときは、買主は、契約の解除をすることができる。
したがって誤っている記述は[3]です。